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横浜市、風水害時に動物病院でペットを一時預かり|2026年7月27日版

風水害に備えて犬と猫を動物病院へ連れて行く飼い主。

横浜市、風水害時に動物病院でペットを一時預かり|2026年7月27日版

横浜市は、市獣医師会と協定を結び、台風や豪雨で避難が必要になった市民の犬・猫を会員動物病院で一時的に預かる仕組みを始めました。ペットを連れて避難所へ行く以外の選択肢が増えたことが、今回の大きな変化です。

ただし、いつでも、どの動物病院でも利用できる制度ではありません。避難情報の発令や避難場所の開設など、複数の条件があります。

  • 対象は原則として健康な犬・猫
  • 警戒レベル3「高齢者等避難」以上が発令された区域が対象
  • 避難場所が開設された区の協力動物病院で受け入れる
  • 利用前に飼い主が動物病院へ受け入れ可否を確認する
  • 預かり費用は原則無料。ただし緊急治療などは有料になる場合がある
目次

何が変わったのか

横浜市と公益社団法人横浜市獣医師会は、2026年6月25日に「風水害時のペットの一時預かり活動に関する協定」を締結し、7月1日に発表しました。

協定により、台風や豪雨で避難情報が出され、市の避難場所が開設された場合、市獣医師会の会員動物病院が犬や猫の一時預かりに協力します。

利用できる条件

対象になるのは、次の条件を満たすケースです。

  • 警戒レベル3以上の避難情報が出た区域に住んでいる
  • 飼い主自身に避難の必要がある
  • 市の避難場所が実際に開設されている
  • 原則として健康な犬または猫である

預かり先となるのは、避難場所が開設された区にある協力動物病院です。病院に掲示されるシールや市獣医師会の案内から確認できます。

ただし、避難情報が出たからといって自動的に受け入れが始まるわけではありません。風雨の状況、時間帯、病院の収容余力によっては対応できないため、連れて行く前の電話確認が必要です。

「同行避難」とは別の選択肢

この制度を理解するうえで重要なのが、「同行避難」と「同伴避難」の違いです。

横浜市が案内する同行避難は、飼い主がペットを伴って避難場所まで移動することを指します。避難後も同じ部屋で暮らせる、という意味ではありません。通常は人の居住スペースとペットの一時飼育場所を分け、飼い主が世話をします。

避難場所では、次のような対応も飼い主に求められます。

  • ケージ、フード、水、ペットシーツ、薬を持参する
  • 指定された場所からペットを出さない
  • 排せつ物やごみを持ち帰る
  • 飼い主同士で清掃や換気を行う

今回の一時預かりは、こうした避難場所での飼育が難しいときに、動物病院へ預けて飼い主が避難する道を加えるものです。

ここがポイント: ペット同伴で過ごせる避難所が一律に増えたのではありません。動物病院への一時預かりという、別の避難経路が用意されました。

なぜ一時預かりが必要なのか

風水害では、雨風が強まってから犬や猫を連れて移動すること自体が危険になります。キャリーケースを持ちながら浸水した道を歩く状況や、大型犬を連れて避難する場面では、飼い主の負担も小さくありません。

一方、避難場所には動物が苦手な人やアレルギーのある人もいます。鳴き声、臭い、抜け毛、かみつきや引っかき、感染症への配慮も欠かせません。

環境省も、避難所のルールを守ることに加え、普段からの健康管理、しつけ、ケージに慣らすことを災害対策の基本に挙げています。自治体だけでなく、獣医師や愛玩動物看護師など専門知識のある人材と平時から連携する必要性も示しています。

横浜市の協定は、この専門的な受け皿を風水害時の避難計画に組み込んだ点に意味があります。飼い主が「ペットを置いて行けない」と避難をためらう事態を減らすだけでなく、人と動物を避難場所で無理に集めずに済む可能性があります。

受け止めは「一緒にいたい」と「住み分け」の両方

ペット避難をめぐる意見は、単純な賛否には分かれません。

東京都が2025年に公表したモニター調査では、飼い主とペットが同じ生活スペースで過ごせるようにしつつ、ペットを連れていない人とは空間を分ける案が42.9%で最多でした。ペット同行者用と非同行者用で避難所そのものを分ける案も32.4%ありました。

この結果から見えるのは、ペットとの避難を認めながら、動物が苦手な人やアレルギーのある人への配慮も求める声です。動物病院への一時預かりは、その両方に応える選択肢になり得ます。

ただし、病院の数や収容できる頭数には限りがあります。大型台風で複数の区が同時に避難対象となれば、需要が受け入れ能力を上回る可能性もあります。

飼い主が今から確認しておくこと

制度ができても、発災直前に初めて調べるのでは間に合いません。横浜市は、知人や親族なども含めた一時預け先を平時から確保し、ペットを含む避難行動計画を作るよう呼びかけています。

最低限、次の点を確認しておくと実際の避難につながります。

  • 自宅周辺の水害・土砂災害リスク
  • 風水害時に開設される避難場所とペット受け入れ条件
  • 近隣の協力動物病院と連絡先
  • 家族や知人に頼める預け先
  • 数日分のフード、水、薬、ペットシーツ
  • キャリーケースやケージへの慣れ
  • ワクチン接種歴、投薬内容、飼い主との写真などの記録

横浜市では別に、高齢や病気など特別な事情のあるペットと飼い主が同じ部屋で過ごす「同室避難場所」の整備も進めています。ただし、こちらは獣医師の診断書や治療歴などによる確認が必要な限定的な仕組みで、一般の同行避難とは異なります。

次に確認すべきなのは、協力病院が各区でどの程度確保されるか、実際の警報下で連絡と搬送が機能するかです。飼い主にとっては、協定の存在を知るだけでなく、自宅から預かり先まで安全に移動できる時刻を決めておくことが最後の一手になります。

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