生活保護費の追加給付、過去の受給世帯は8月から申出を|2026年7月24日版
過去に生活保護を受け、現在は受給していない世帯を対象とする追加給付の申出受付が、2026年8月1日から全国で始まります。受付期限は2027年7月31日です。
対象になり得るのは、2013年8月から2026年3月までの間に生活保護を受給していた世帯。現在の居住地ではなく、当時受給していた自治体への申出が必要なため、心当たりがある人は早めの確認が重要です。
- 申出期間:2026年8月1日〜2027年7月31日
- 申出先:当時、生活保護を受給していた自治体
- 複数の自治体で受給していた場合:それぞれに申出が必要
- 現在も受給中の場合:原則として申出不要
何が決まったのか
厚生労働省は、現在は生活保護を受給していない世帯について、追加給付の申出を全国統一の日程で受け付けると発表しました。
追加給付は、2013年から3年間かけて行われた生活扶助基準の改定を、最高裁が2025年6月27日に違法と判断したことを受けたものです。判決では、物価下落を反映させた「デフレ調整」をめぐり、厚生労働大臣の判断過程と手続きに過誤や欠落があったとされました。
生活扶助基準は、食費や光熱水費など日常生活に必要な費用を算定する基準です。年齢、世帯人数、居住地域などによって金額が異なります。
国は判決後に新たな基準を設定し、過去に支給された額との差額に相当する追加給付を進めています。現在受給中の世帯には、2026年3月から自治体の準備状況に応じて順次支給が始まっています。
対象になり得る人と手続き
今回、特に確認が必要なのは、すでに生活保護を離れた世帯です。自治体から自動的に支給されるとは限らず、自分から申し出なければなりません。
対象期間を確認する
厚生労働省が示した大枠の対象は、2013年8月から2026年3月までに生活保護を受給していた世帯です。現在は就労や年金受給などによって生活保護を利用していなくても、対象となる可能性があります。
対象期間中に収入があり、生活扶助費の全部または一部が支給されなかった時期がある場合も、追加給付の対象になり得ます。ただし、実際の給付額は当時の受給状況によって変わります。
当時の自治体に申し出る
申出先は、現在住んでいる自治体ではなく、当時生活保護を受けていた自治体です。
たとえば、対象期間中にA市とB市の両方で受給し、現在はC市に住んでいる場合、原則としてA市とB市へそれぞれ申し出る必要があります。過去の転居が多い人ほど、受給した自治体と時期を整理しておくことが大切です。
ここがポイント: 現在受給していない世帯は自動給付ではありません。期限内に、当時受給していた自治体へ申し出る必要があります。
給付額は世帯ごとに異なる
追加給付額は一律ではありません。厚生労働省によると、主に次の条件で変わります。
- 当時の年齢と世帯人数
- 生活保護を受給していた地域
- 受給していた期間
- 障害者加算や母子加算などの有無
- 当時算定されていた生活扶助費
国は、2013年改定時のデフレ調整による改定率「マイナス4.78%」を、専門委員会で検討した消費実態に基づく改定率「マイナス2.49%」へ置き換え、その差額に相当する額を給付するとしています。
ただし、対象となる費目や期間は一様ではありません。基準生活費の一部は2018年9月まで、地区別冬季加算の一部は2015年9月までなど、費目ごとに区切りがあります。正確な金額は、申出後に自治体が当時の記録を確認して算定します。
なぜ「周知」が最大の課題なのか
現在受給中の世帯には自治体が対応できますが、すでに受給を終えた人は転居や連絡先変更により、案内が届かない可能性があります。制度を知らないまま1年間の受付期間が過ぎれば、対象者が申出の機会を逃すおそれもあります。
厚生労働相は7月21日の記者会見で、新聞やインターネットなどを使った全国規模の広報を行い、相談センターや自治体と連携すると説明しました。申出方式をめぐっては、国と自治体がどこまで対象者へ直接知らせられるかが焦点です。
ネット上でも、申出が必要な仕組みでは情報にアクセスしにくい人が取り残されるのではないか、という趣旨の懸念が見られます。ただし、個々の投稿は世論全体を示すものではありません。重要なのは、家族や支援者を含め、過去の受給歴に心当たりがある人へ公的情報を確実に届けることです。
対象かもしれない人が今できること
受付開始を前に、次の情報を整理しておくと自治体への確認が進めやすくなります。
- 生活保護を受給していた自治体名
- おおよその受給開始・終了時期
- 当時の世帯主と世帯構成
- 当時と現在の氏名、住所、連絡先
- 複数自治体で受給していた場合は、それぞれの期間
不明点は、厚生労働省の「保護費の追加給付相談センター」で確認できます。電話番号は 0120-179-445、通常の受付時間は平日午前9時から午後5時までです。2026年8月から10月は土日・祝日も受け付けます。
自治体ごとに支給時期や申出方法が異なる可能性があります。まずは当時の自治体の公式サイトを確認し、情報が掲載されていなければ福祉事務所や生活保護担当窓口へ問い合わせるのが確実です。
申出期限は1年ありますが、過去の記録確認や複数自治体への連絡には時間がかかります。8月1日の受付開始後、対象かどうか分からない段階でも相談することが、給付を逃さないための現実的な第一歩です。
