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名古屋市の消費生活相談、ネット通販が約4千件に 返金を装う送金誘導にも注意|2026年7月22日版

スマートフォンと荷物、賃貸契約書が並ぶ生活トラブルのイメージ。

名古屋市の消費生活相談、ネット通販が約4千件に 返金を装う送金誘導にも注意|2026年7月22日版

名古屋市で2025年度に受け付けた消費生活相談は1万3,495件となり、前年度より296件増えました。特に目立つのはネット通販で、相談は3,981件に達しています。

商品が届かないだけではありません。「返金する」と持ちかけ、コード決済で消費者側から送金させる手口も確認されました。返金手続きのはずなのに送金操作を求められたら、その場で止めることが重要です。

  • 相談総数は1万3,495件、前年度比296件増
  • ネット通販の相談は3,688件から3,981件へ増加
  • 賃貸アパートの相談は659件から874件へ増加
  • 移動通信サービスの相談も259件から316件へ増加
目次

ネット通販相談の約3割はSNSがきっかけ

名古屋市が2026年7月17日に公表した2025年度の消費生活相談概要によると、ネット通販に関する相談は前年度から293件増えました。

相談内容では、次のような問題が多く報告されています。

  • 販売事業者と連絡が取れない:916件
  • 注文した商品が届かない:489件
  • 返金を名目にコード決済で送金を促される
  • SNSの投稿や広告をきっかけに購入する

SNSをきっかけとした相談は、ネット通販関連の約3割です。広告から販売サイトへ移動し、そのまま購入できる手軽さの裏で、事業者の所在地や連絡先、返品条件を十分に確認しないまま支払う場面が生まれています。

「返金」と「送金」を取り違えさせる

注意したいのが、コード決済を悪用した手口です。

販売事業者を名乗る相手が「在庫がないので返金する」などと連絡し、画面共有や通話で操作を案内します。しかし、指示どおりに進めると、返金を受けるのではなく相手へ送金してしまいます。

ここがポイント: 返金を受ける手続きで、購入者が相手の指定する金額を入力して送金する必要はありません。画面共有や不審なコード決済操作を求められたら中断してください。

国民生活センターは、商品が届かず販売事業者とも連絡が取れない場合、カード会社へ早めに相談するよう案内しています。注文時の最終確認画面、広告、メール、チャットの履歴は消さずに保存しておくと、相談時の材料になります。

賃貸住宅では退去時の請求が焦点

生活への影響が大きいもう一つの増加項目が、賃貸アパートです。相談件数は前年度の659件から874件へ増え、約33%増加しました。

相談者は20歳代と30歳代で全体の約半数を占めます。また、相談のおよそ4割が退去時の修繕費用に関するものでした。進学、就職、転勤などで住み替えの多い世代ほど、契約終了時の請求に直面しやすいことが数字に表れています。

普通に暮らして生じた傷みは原則として借主負担ではない

国民生活センターは、年月の経過による損耗や、通常の使用で生じる汚れ・傷の修繕費は、原則として借主が負担する必要はないと説明しています。ただし、契約書に費用負担の特約があり、内容について明確な合意がある場合は扱いが変わります。

退去時だけでなく、入居時から備える必要があります。

  • 契約書の原状回復・クリーニング特約を読む
  • 入居直後に室内の傷や汚れを撮影する
  • 故障や水漏れは放置せず、貸主や管理会社へ連絡する
  • 退去時の確認には可能な限り立ち会う
  • 請求の内訳と算定根拠を書面で求める

高額請求を受けても、その場で内容を認める必要はありません。通常損耗なのか、借主の不注意による損傷なのかを分け、納得できない項目について説明を求めることが第一歩です。

高齢者では通信契約の相談が増加

移動通信サービスに関する相談も、259件から316件へ約22%増えました。全年代から寄せられていますが、70歳代が約2割で最多です。

スマートフォンや通信回線の契約は、端末代金、料金プラン、割引条件、オプションサービスが組み合わされることがあります。店頭で説明を受けても、月々の総額や解約条件をその場で把握しにくい点が課題です。

契約前には、少なくとも次の項目を書面で確かめたいところです。

  • 毎月支払う総額
  • 割引が終了する時期
  • 不要なオプションの有無
  • 端末代金の残額
  • 解約時に発生する費用

家族が契約に付き添う場合も、単に「安くなるか」だけで判断せず、数カ月後の請求額まで確認する必要があります。

相談件数の増加を「自己責任」で片づけない

2025年度の相談総数は増えましたが、65歳以上の相談は3,505件で前年度より278件減少しました。一方、30歳未満は1,900件で89件増えています。

この数字から見えるのは、特定の世代だけが狙われているという単純な状況ではありません。若い世代はSNSや賃貸契約、高齢者は通信サービスなど、日常で利用する場所に応じて異なる問題が起きています。

消費者側の注意は必要です。ただし、連絡先が見つけにくい通販サイト、複雑な通信料金、不明瞭な修繕費の請求は、注意力だけでは防ぎきれません。自治体が相談データを公表する意味は、個々の被害救済に加え、繰り返される契約上の弱点を可視化できる点にあります。

トラブルに気づいたときの3つの行動

契約や支払いに違和感があったら、相手とのやり取りを続ける前に証拠を残します。

  1. 広告、注文画面、契約書、請求書、メッセージを保存する
  2. カード会社や決済事業者へ早めに連絡する
  3. 最寄りの相談窓口につながる消費者ホットライン「188」へ相談する

消費者庁によると、188は地域の消費生活センターや相談窓口を案内する全国共通番号です。相談は無料ですが、窓口につながった時点から通話料金がかかります。

次に見るべきなのは、ネット通販3,981件のうち、返金を装う送金誘導がどこまで広がるかです。購入画面や相手との通信記録を残す習慣が、被害回復の可能性を左右します。

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