MENU

金沢市が中古戸建て購入を支援、最大100万円の新制度が開始|2026年7月25日版

金沢市内の改修された中古戸建て住宅を確認する購入希望者。

金沢市が中古戸建て購入を支援、最大100万円の新制度が開始|2026年7月25日版

金沢市は2026年7月1日、一定の品質を確保した中古戸建て住宅の購入やリフォームに対し、最大100万円を交付する奨励金制度を始めました。

対象区域によって金額は異なり、最も手厚い「まちなか」では基本額と加算額を合わせて上限100万円。購入を決めてから申請するのでは遅い場合があるため、検討中の人は契約や登記の順序を先に確認する必要があります。

  • 対象は自ら所有し、居住する一戸建ての中古住宅
  • 10年以上の住宅ローンと、住宅の品質を確認する制度の利用が必要
  • 上限額は区域別に20万~100万円
  • 認定申請は所有権の登記や融資実行より前に行う
目次

どんな制度が始まったのか

新設されたのは「金沢市中古住宅取得・リフォーム奨励金」です。良質な中古住宅を購入する人、または購入と同時に改修する人の借入額に応じて、市が奨励金を交付します。

金沢市の案内によると、主な条件は次の通りです。

  • 一戸建ての中古住宅であること
  • 購入者が住宅を所有し、自ら住むこと
  • 町会へ加入すること
  • 購入費または購入・リフォーム費について、返済期間10年以上の借り入れがあること
  • 市が定める対象区域内にあること

さらに、住宅の状態や性能を確認できる仕組みとして、次のいずれかを利用しなければなりません。

  • 既存住宅売買瑕疵保険
  • 安心R住宅
  • フラット35・フラット20・フラット50のうち、S、中古プラス、維持保全型、リノベのいずれかの要件を満たす借り入れ

単に築年数が古い住宅を買えば対象になるわけではありません。購入後に重大な欠陥が見つかるリスクを抑え、中古住宅の品質を一定水準以上に保つ条件が組み込まれています。

上限は「まちなか」の100万円

奨励金は、住宅の購入やリフォームに使う借入額へ区域別の助成率を掛けて計算します。土地だけの取得費は計算に含まれません。

まちなか

基本額は借入額の5%で、上限50万円です。子育て世帯、移住者、若年者、リフォーム済みの安心R住宅には加算があり、基本額と加算額を合わせた上限は100万円になります。

居住誘導区域

基本額は借入額の2.5%、上限25万円。加算を含む総額は最大50万円です。

地区計画区域など

基本額は借入額の1%、上限10万円。加算を含む総額は最大25万円です。

一般居住区域

対象となるのは市外からの移住者に限られます。基本額は借入額の1%、上限10万円で、加算を含む総額は最大20万円です。

区域や転居前後の住所によっては、子育て世帯や同居・近居に当たる場合だけ対象になるケースもあります。物件の広告に「金沢市内」と書かれていても、それだけでは判断できません。購入候補の所在地を住宅政策課へ示し、対象区域と転居条件を確認するのが確実です。

ここがポイント: この制度は一律100万円の給付ではありません。物件の所在地、借入額、世帯属性、移住の有無、住宅の品質確認制度によって交付額が変わります。

最大の注意点は申請のタイミング

制度を使ううえで、最も見落としやすいのが手続きの順番です。

市の制度チラシでは、売買契約の締結から3か月以内、かつ所有権保存登記または所有権移転登記より前に認定申請書を提出するよう求めています。融資実行前の申請も必要です。

大まかな流れは次のようになります。

  1. 対象区域と住宅の要件を確認する
  2. 売買契約を結ぶ
  3. 契約から3か月以内に認定申請する
  4. 認定後に登記、融資実行、必要なリフォームを進める
  5. 入居し、認定から1年以内に交付申請する

住宅購入では、不動産会社、金融機関、リフォーム会社、司法書士がそれぞれ異なる日程で動きます。制度を知らないまま登記まで進めると、住宅自体が条件を満たしていても申請できなくなる可能性があります。

物件探しの段階で「この奨励金を利用したい」と関係者へ伝えることが、実務上の重要な一手です。

なぜ中古住宅の「品質確認」を条件にしたのか

金沢市が支援するのは、中古住宅の購入件数を増やすことだけではありません。住宅の状態を確認できる制度と組み合わせ、安心して再流通させる狙いがあります。

2023年の住宅・土地統計調査では、金沢市の住宅総数24万4,640戸に対し、空き家は3万6,190戸でした。このうち、賃貸用や売却用などを除く「その他の住宅」は1万1,620戸に上ります。数字は標本調査による推計値ですが、使い道が定まらない住宅が地域に相当数あることを示しています。

市は2025年3月に改定した空き家等管理・活用計画で、空き家の適切な管理に加え、活用と流通の促進を掲げています。

今回の制度は、その出口に当たります。

  • 売り手には、住宅の品質を確認して市場へ出す動機が生まれる
  • 買い手には、取得費や改修費の負担を抑える選択肢が増える
  • 市には、既存の市街地へ居住を誘導し、空き家の長期放置を防ぐ利点がある

全国でも空き家は増えています。総務省統計局の2023年調査では、空き家は過去最多の900万2,000戸、空き家率は13.8%でした。金沢市の施策は、使える住宅を壊さず、品質を確認したうえで次の住民へ渡す地域単位の試みと位置づけられます。

利用前に確認したい4項目

奨励金だけを見て物件を決めるのは早計です。中古住宅では、購入後の修繕費や維持費まで含めた判断が欠かせません。

1. 物件が対象区域に入っているか

道路一本を挟んで区域が変わる可能性があります。不動産広告の地域名だけで判断せず、所在地を市へ照会する必要があります。

2. 品質確認に必要な費用と時間

瑕疵保険やフラット35の各制度には、検査や書類作成、住宅性能に関する条件があります。希望する入居日までに手続きが終わるかも確認したいところです。

3. リフォーム費を含めた資金計画

奨励金は購入価格や改修費の全額を補うものではありません。屋根、外壁、給排水、断熱、耐震など、入居後に必要となる工事を洗い出し、借入額と自己資金を組み立てる必要があります。

4. 他の補助制度との関係

省エネ、耐震、空き家改修など、住宅には複数の支援制度があります。ただし、同じ工事費へ重複して補助を受けられない場合があります。契約や着工前に、市と県の窓口へ併用の可否を確認することが大切です。

次に見るべきは利用件数と区域ごとの差

制度は始まったばかりです。今後の焦点は、最大100万円という金額そのものより、申請がどの区域に集まり、実際に何戸の中古住宅が再利用されるかにあります。

特に確認したいのは次の点です。

  • 「まちなか」以外の区域でも利用が進むか
  • 品質確認や事前申請が購入者の負担にならないか
  • 空き家だった住宅が継続的な居住につながるか
  • 子育て世帯や移住者の住まい探しに実効性があるか

購入を検討している人にとって、直近の行動は明確です。候補物件の契約前に金沢市住宅政策課へ相談し、対象区域、必要な品質確認、申請期限を一枚の予定表に落とし込むこと。登記を済ませてから制度を調べるのでは遅いという点が、最も重要な実務上の注意点です。

参照リンク

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次