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豪ビクトリア州、家賃支払いの手数料を貸主・仲介業者も禁止|2026年11月1日版

メルボルンの賃貸住宅でスマートフォンと契約書を確認する借主。

豪ビクトリア州、家賃支払いの手数料を貸主・仲介業者も禁止|2026年11月1日版

家賃を払うために、家賃とは別の手数料を取られる。オーストラリアのビクトリア州では2026年10月13日、こうした負担を抑える規制が広がった。賃貸申込みや家賃支払いに関する手数料の徴収禁止が、貸主と不動産仲介業者にも適用された。

外部の賃貸アプリ運営会社には、すでに3月から禁止が導入されていた。今回の変更は、アプリ会社だけでなく、物件を貸す側や管理する側からの請求も対象にした点が重要だ。州消費者行政当局の発表で確認できる。

  • 10月13日から:貸主・仲介業者による賃貸申込み、家賃支払いの手数料を禁止。
  • 3月31日から実施済み:外部の賃貸プラットフォームによる同種の手数料を禁止。
  • 同時に、退去時の保証金からの請求には、借主への事前の証拠提示が必要になった。
目次

何が変わったのか――請求する相手まで見る

今回の改正を理解するには、3月と10月の変更を分けると分かりやすい。

3月31日に始まったのは、物件への応募や家賃の支払いを扱う外部プラットフォームへの規制だ。不動産業界団体REIVも、賃貸アプリなどが借主から申込手数料や家賃支払手数料を徴収することは禁止されたと説明している。

同時に、賃貸申込書の標準化も進んだ。貸主や管理業者は所定の様式を使い、申込者に求める情報も、その様式で認められた範囲に限られる。REIVの制度案内は、費用と個人情報の両方にルールが設けられたことを示している。

そして10月13日、手数料禁止の対象に貸主と仲介業者が加わった。借主にとっては、アプリの料金表示だけでなく、管理会社などから届く請求にも関わる変更だ。

ただし、銀行が通常の銀行サービスに対して課す手数料まで、一律に無料になるわけではない。借主支援団体Tenants Victoriaは、銀行の通常手数料には例外があると説明している。

ここがポイント: 家賃そのものの値下げを定めた制度ではない。物件に申し込み、家賃を支払う際に上乗せされる費用について、誰が徴収するのかを含めて規制を広げた。

アプリが無料でも、利用を強制してよいとは限らない

費用の問題と、支払方法を選べるかという問題は別に残る。

Tenants Victoriaは、貸主や仲介業者が指定する第三者のサービスについて、借主は利用を選べるものの、無料であっても利用を強制されるものではないと案内している。また、通常の銀行手数料を除き、追加費用のかからない家賃支払方法を用意する必要があるという。

同団体が挙げる賃貸アプリの問題は、料金だけではない。

  • 支払方法によって追加料金が発生する。
  • 決済エラーなどを理由に費用を請求される。
  • 利用規約によって、個人情報が販促先などに提供される。

これらは同団体が注意点として示しているもので、すべてのアプリに共通するという意味ではない。それでも、手数料がなくなれば利用条件を確認しなくてよい、とはならない。

Tenants Victoriaの案内には、追加料金のあるアプリでの支払いを求められた場合などに使う書面のひな型や、相談先も掲載されている。

退去時には「保証金から引く根拠」を先に示す

10月の変更は、入居中の支払いだけで終わらない。退去時のお金の扱いにも手が入った。

貸主や仲介業者が、契約終了時にボンドと呼ばれる保証金から請求する場合、請求前に借主へ根拠となる証拠を提示する必要がある。州当局は、請求書、領収書、見積書、写真を証拠の例として挙げている。

借主は、何について費用を求められているのかを、資料を見ながら確認できる。ただし、資料が示されたことと、請求内容が妥当であることは同じではない。証拠の提示は、借主が内容を検討するための出発点になる。

安全面でも適用範囲が広がった。州の改正一覧によると、2年ごとの電気・ガス安全点検は、従来の新しい契約だけでなく、すべての賃貸物件に適用される。ガス点検は、ガス機器や設備がある物件が対象だ。

古くから住み続けている借主にも関係する変更である。

今後は「請求と案内が実際に変わるか」が焦点

禁止が始まっても、それだけで家賃が下がったり、すべての請求トラブルがなくなったりするわけではない。今回確認した発表には、施行後に借主の負担がいくら減ったかという実績は示されていない。

州当局は、常設の賃貸市場監視チームが法令順守を確認し、違反には警告、罰金、裁判などの措置があり得るとしている。制度が生活を変えるかどうかは、契約書や請求画面、管理会社の案内に新ルールが反映されるかにかかる。

今後の注目点は三つある。

  1. 手数料の請求が止まるか:アプリ会社、貸主、仲介業者それぞれの請求内容が変わるか。
  2. 支払方法を選べるか:無料のアプリであっても、指定サービスの利用が事実上強制されていないか。
  3. 保証金の説明が具体的になるか:退去時の請求前に、写真や見積書などが借主へ届くか。

ビクトリア州で部屋を借りる人にとって、次に確認すべきなのは広告の家賃だけではない。申込みに費用がかかるのか、毎月どう払うのか、退去時には何を根拠に請求されるのか。その三つが、今回の改正を確かめる具体的な場面になる。

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