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英国で子どもと接するボランティアの身元確認を拡大、学校や地域クラブは何が変わる?|2026年8月23日版

英国の学校で担当者から説明を受ける子ども向け活動のボランティア。

英国で子どもと接するボランティアの身元確認を拡大、学校や地域クラブは何が変わる?|2026年8月23日版

英国では2026年9月1日から、教師などがそばで監督していても、子どもを定期的に教えたり世話したりする人が「規制対象活動」に含まれるようになります。

中心となる変更は、学校の読書支援や地域の音楽・スポーツ指導などを継続的に担うボランティアにも、子どもとの活動を禁じられた人物かどうかを確認できる身元調査が必要になることです。一方、単発の学校行事や日帰り旅行を手伝う保護者まで一律に対象になるわけではありません。

  • 施行日は2026年9月1日
  • 対象は、子どもを頻繁に教える、訓練する、世話する、監督する人
  • 「職員が監督しているから対象外」という従来の例外を廃止
  • 成人を対象とする規制活動の定義には変更なし
目次

「監督されていれば対象外」という例外を廃止

英国のDBS(Disclosure and Barring Service)は、犯罪歴などの情報を用いて、採用先やボランティア受け入れ先の安全確認を支える公的機関です。子どもに危害を及ぼす危険があると判断された人物については、子どもと関わる特定の活動への従事を禁じるリストも管理しています。

従来は、子どもを教えたり世話したりする活動でも、資格を持つ職員などが十分に監督していれば、「規制対象活動」から外れる場合がありました。その場合、通常の強化型DBSチェックを求めることはできても、子どもとの活動を禁じられた人物かどうかの照会まではできませんでした。

2026年成立のCrime and Policing Actは、この「監督例外」を削除しました。英国政府の解説によると、子どもと密接かつ継続的に接する役割を、最も高い水準のDBSチェックの対象にできるようにするのが狙いです。

ここがポイント: 監督者が同じ部屋にいるかではなく、本人が子どもを教えたり世話したりする活動の内容と頻度で判断される制度へ変わります。

対象になる頻度と具体例

DBSが8月20日に更新した案内では、対象となる活動の頻度を次のように示しています。

  • 30日間に4日以上行う
  • 午前2時から6時までの時間帯を含む宿泊活動に1回でも参加する

毎週の読書支援やクラブ指導

小学校で毎週、子どもの音読を聞く保護者は、教師が近くで監督していても新制度の対象になります。地域の音楽クラブで週2回補助する人や、学校外のスポーツクラブで定期的に指導するアシスタントも同様です。

該当する人には、犯罪歴などに加え、Children’s Barred Listの情報を含む強化型DBSチェックが求められます。ボランティア向けのDBSチェックは無料です。

単発の手伝いは原則として対象外

月1回の美術活動、時折開かれるPTA行事、宿泊を伴わない日帰り旅行を手伝う保護者は、活動頻度の基準を満たさない限り、新制度上の規制対象活動には含まれません。

つまり、「子どもと接するボランティアは全員、新しい検査が必要」という変更ではありません。受け入れ側が役割と参加頻度を確認し、対象者を切り分ける必要があります。

学校以外にも広がる実務対応

影響を受けるのは学校だけではありません。イングランド、ウェールズ、北アイルランドで、子どもを対象とする活動を運営する幅広い組織が対象です。

  • 保育施設
  • スポーツクラブや音楽クラブ
  • 青少年団体、慈善団体
  • 野外活動センター
  • 子ども向け訓練を提供する事業者

各組織は施行前に、監督を理由として規制対象外にしていた役割を洗い出し、参加頻度や宿泊の有無、既存のDBS証明書に禁止者リストの照会が含まれているかを確認しなければなりません。

複数の学校などで活動する人は、各施設での活動日を合算して頻度を判断します。例えば、同じ30日間に別々の4校で1日ずつ子どもを教えれば基準に達します。イングランド教育省の実務ガイダンスは、関係する学校同士で申請主体を調整し、証明書を共有して確認する方法を示しています。

安全強化と地域活動の両立が課題

制度変更により、子どもとの活動を禁じられた人物が「監督付きの役割」を利用して継続的に接触する余地は狭まります。禁止対象者が規制対象活動を行うことも、組織がそれを認めることも違法です。

同時に、学校や小規模な地域団体には役割の棚卸し、申請、証明書の確認という作業が増えます。無料チェックやDBS Update Serviceを利用できても、活動頻度を複数施設で合算する運用には調整が必要です。

ボランティア本人にとって重要なのは、身元確認の対象になったことが問題視されたという意味ではない点です。役割の分類が変わり、受け入れ組織が従来より広い情報を確認できるようになる制度改正です。

9月1日までに見るべき3つの点

今回の変更で注目すべきなのは、法律の施行そのものより、地域の現場が活動を止めずに確認を終えられるかです。

  • 学校やクラブが対象となる役割を正しく特定できるか
  • 複数施設で活動する人の日数をどう共有・管理するか
  • 事務負担を理由に、必要なボランティア枠が縮小しないか

子どもの安全を高めながら地域活動を維持するには、全員を一律に検査するのではなく、活動内容、頻度、宿泊の有無を早めに確認することが実務上の要点になります。

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