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磁気のシルバーパスはきょうで終わり、あすからPASMOへ──SuicaもモバイルPASMOも使えない「落とし穴」|2026年9月30日版

路線バスの運賃箱にICカードをタッチする高齢者

磁気のシルバーパスはきょうで終わり、あすからPASMOへ──SuicaもモバイルPASMOも使えない「落とし穴」

東京都内の70歳以上が都営交通や都内の路線バスに乗るときに使う「東京都シルバーパス」。磁気カードのパスは2026年9月30日で使えなくなり、10月1日からはPASMOに情報を載せる方式だけになります。

注意したいのは、手元にあるICカードなら何でも使えるわけではないことです。登録できるのは「記名式でカード型のPASMO」に限られます。Suica、モバイルPASMO、クレジットカード一体型のPASMOには登録できません。

あすの朝、バスの運賃箱に古い磁気カードを出しても通用しません。更新がまだの人や、家族の手続きを代わりにしている人は、きょうのうちに確認しておく必要があります。

この記事の要点

  • 磁気カードの有効期限は9月30日。10月1日からはPASMOを使うIC方式に一本化
  • 登録できるのは記名式のカード型PASMOだけ。Suica、モバイル、クレカ一体型は対象外
  • 新しくPASMOを発行する場合は、パス代とは別に1,000円(デポジット500円+チャージ500円)がかかる
  • 住民税課税者のパス代は、2025年10月に2万510円から1万2,000円へ下がったばかり
目次

何が変わるのか:「見せる・通す」から「タッチする」へ

シルバーパスは東京都の事業で、発行手続きは東京バス協会が担っています。対象は都内に住む70歳以上の人で、寝たきりの人は除かれます。

使える乗り物は次のとおりです。

  • 都内を走る民営の路線バス
  • 都営交通(都営バス、都営地下鉄、都電荒川線、日暮里・舎人ライナー)
  • 八丈町営バス、三宅村営バス

これまでは磁気カードを運転士に見せたり、改札機に通したりして乗っていました。10月からはパスの情報がPASMOに書き込まれ、改札機や運賃箱にタッチして乗る形になります。

都は、IC化で「タッチ乗車や自動精算などがスムーズになる」と説明しています。タッチしたときに改札機や運賃箱の画面に表示が出るので、シルバーパスとして処理されたかどうかをその場で確認できます。

手持ちのPASMOがあるかどうかで手続きが分かれる

手元の状況やることパス代以外の費用
記名式のカード型PASMOを持っているそのPASMOにシルバーパス情報を登録するなし
対象になるPASMOを持っていないシルバーパス情報を登録した新しいPASMOが郵送で届く1,000円(デポジット500円+交通・電子マネー分500円)

手持ちのPASMOに登録した人も新しく発行した人も、バス営業所で手続きした場合は、都営地下鉄や日暮里・舎人ライナーに初めて乗る前に駅の券売機で一度書き込みをする必要があります。バスしか乗らない人は気づきにくいので、地下鉄を使う予定がある人は覚えておきたい手順です。

いちばんの注意点:使えないカードの種類

今回の切り替えでつまずきやすいのは、ここです。「PASMOならどれでもいい」わけではありません。

シルバーパスの公式サイトが挙げている、登録できないカードは次のとおりです。

  • クレジットカード一体型のPASMO
  • モバイルPASMO
  • Suicaなど、PASMO以外の交通系ICカード
  • 障がい者用などの特殊なPASMO
  • 定期券が載っているPASMO
  • 10年以上使っていないカード
  • 本人以外の名義で記名されたカード

登録できるのは、カードの表か裏に本人の名前がカタカナで印字された記名式PASMOです。

家族のSuicaを借りたり、スマホのモバイルPASMOにまとめたりはできません。JR沿線に住んでいてSuicaしか持っていない人は、新しくPASMOを発行してもらう必要があり、その分の1,000円がかかります。

ここがポイント: 10月1日以降のシルバーパスは「本人名義の、カード型の、定期券が載っていないPASMO」でしか使えない。ほかのICカードは、手元にあっても使えない。

残高とパスは別もの

PASMOには、シルバーパスの乗車資格と、チャージした電子マネーの残高が同じカードに入ります。ただし、この2つは別の機能です。

家族向けの手順を解説するブログでは、「パスで乗れる範囲」と「残高から引かれる支払い」が違うことを本人と一緒に確かめておくよう勧めています。対象外の路線に乗ったり、コンビニで買い物をしたりすれば、チャージ残高から支払われます。「タッチしたのにお金が減った」という戸惑いは、ここから生まれやすいと言えます。

料金は2年続けて下がった

IC化と同じ時期に、利用者の負担も大きく変わりました。

区分2025年9月まで2025年10月以降
住民税課税者(1年分)20,510円12,000円
住民税非課税、または合計所得135万円以下1,000円1,000円

年度の途中(4〜9月)に買う半年分も、2026年4月から10,255円が6,000円に下がっています。

課税者にとっては年8,510円の値下げです。一方で、PASMOを新しく作る人は初回だけ1,000円が上乗せされます。課税者なら1万3,000円、非課税者なら2,000円が今回の支払額になります。八丈町はこの4通りの金額を表にして町民に案内しています。

区が独自に上乗せ補助をする例もあります。荒川区は2025年10月から、区の補助で負担を一律1,000円にする制度を始めたと日本経済新聞が報じました。住んでいる区市町村によって実際の負担額が変わるため、窓口で確認する価値があります。

窓口・電話・郵便局:サポート体制はどうなっているか

70歳以上の利用者全員が一斉にカードを替えるため、都と東京バス協会は例年より手厚いサポートを用意しました。

  • 6月中旬に、東京バス協会から更新案内を郵送
  • 更新手続きは郵送やスマホでも可能(これまでと同じ)
  • コールセンターを拡充し、都営地下鉄の駅や郵便局に特設の相談窓口を設置
  • 一部の郵便局で、更新手続きを手伝う相談会を開催

専用電話(東京バス協会・シルバーパス専用電話 03-5308-6950)は、9月末まで受付時間を延ばし、平日の午前8時30分から午後5時まで対応しています。

島しょ部では、手続きが島の役場に集まります。八丈町では既存利用者の更新期間を9月1〜17日とし、申請から2週間ほどで自宅にPASMOが届くと案内しています。10月1日以降の新規申請は、町の企画課運輸係だけで受け付けます。

新しく70歳になる人の買い方

10月1日からの新規購入は、9月1日から受け付けています。購入できるのは70歳になる月の2カ月前の1日からです。有効期間は、使い始める月の1日から1年間です。

  • 持ち物:本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
  • 1,000円の区分で買う人:2026年度の介護保険料の納入(決定)通知書(再発行不可)
  • 購入場所:バス営業所、都営地下鉄の定期券発売所

ネットの受け止め:「便利になる」と「家族の出番」

SNSでは、IC化を提案してきた都議会議員などが「シルバーパスがPASMOに」と歓迎する投稿を出しています。磁気カードを出し入れする手間がなくなり、タッチだけで乗れるようになることへの期待がうかがえます。

一方で、ブログやnoteには子ども世代に向けた解説が目立ちます。対象外のカードを持っていないか確かめる、更新案内を一緒に読む、最初の乗車に付き添う──といった、家族が手伝う前提の手順が並んでいます。

「スマホにまとめたい」「Suicaで済ませたい」という人にとっては、使えるカードが限られる点が引っかかりやすいところです。制度は便利な方向に変わりますが、最初の1枚をそろえるところで手助けが要る人は少なくありません。

あす以降に見ておきたいこと

10月1日の切り替えは、通勤ラッシュのような目立つ混乱にはなりにくい変化です。それでも、バス停や改札で困る人が出るとすれば、朝の数日間に集中します。

  • 更新を忘れていた人:磁気カードは10月1日から使えない。バス営業所か定期券発売所で購入手続きをする
  • 地下鉄を使う人:初めて乗る前に、駅の券売機でシルバーパス情報を書き込む
  • カードの種類:モバイルPASMO、クレカ一体型、定期券付きのカードには登録できない
  • 残高の減り方:パスで乗れない路線や買い物の支払いは、チャージ残高から引かれる

気になるのは、IC化で蓄積される乗車データの使い道です。IC化すれば、どの路線を何人の高齢者が使っているかが以前より細かく分かるようになります。都が料金水準の見直しや対象路線の議論にこのデータを使うのかどうか。それが次の論点になりそうです。

参照リンク

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