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ケベック州、冷蔵庫は6年・スマホは3年の無料修理保証に 家電売り場はどう変わる?|2026年10月17日版

冷蔵庫や洗濯機が並ぶ売り場で家電を点検する修理担当者。

ケベック州、冷蔵庫は6年・スマホは3年の無料修理保証に 家電売り場はどう変わる?|2026年10月17日版

カナダ・ケベック州で10月5日、家電や電子機器14品目に、3〜6年の無料修理を義務づける法定保証が始まった。対象となる新品を購入・賃借すると自動で適用され、冷蔵庫は6年、洗濯機は5年、スマートフォンは3年が保証期間となる。

変わるのは故障後の対応だけではない。販売店は価格の近くに保証期間を表示し、有料の追加保証を勧める際にも、この無料保証について説明する必要がある。買う前に「追加料金なしで、何年守られるか」を確認できる制度だ。

  • 対象は、2026年10月5日以降に事業者から新品で購入・賃借する指定品目。
  • 保証期間は購入日ではなく、商品の引き渡し日から数える。
  • 修理部品代と作業代に加え、合理的な輸送費も対象となる。
  • 誤使用による損傷や通常のメンテナンスは対象外。

制度の対象と開始日は、ケベック州消費者保護局(OPC)の発表と公式案内で確認できる。

目次

何年使えるかを、売り場で示す

今回の「正常動作保証」は、製品ごとに期間を明示した点が特徴だ。

対象品目は次のように分かれる。

  • 6年:調理用レンジ、冷蔵庫、冷凍庫、エアコン、ヒートポンプ。
  • 5年:洗濯機、乾燥機、食器洗い機。
  • 4年:テレビ。
  • 3年:ノートパソコン、デスクトップパソコン、ゲーム機、携帯電話、タブレット。

たとえば洗濯機を選ぶ人は、本体価格とともに「5年」という無料保証の期間を見て、有料保証の内容を比較できる。販売店には、店頭だけでなくオンラインや広告でも、価格の近くに期間を示す義務がある。OPCの公式案内が、この表示ルールを説明している。

一方、ケベック州では以前から、通常の用途に照らして合理的な期間使えることを求める法定保証があった。新制度はそれに追加される。したがって、指定期間を過ぎた瞬間に、すべての法的な保護が終わるわけではない。

ここがポイント: 新制度は、対象製品の無料修理期間を具体的な年数で示すもの。その年数を製品寿命の上限として定めた制度ではない。

故障したとき、販売店も窓口になる

消費者は、販売店とメーカーのどちらにも修理を求められる。

OPCは、販売店が消費者をメーカーへ、メーカーが販売店へと一方的に振り向けることはできないと案内している。購入先に相談した際の窓口が明確になることは、日常生活で使う家電ほど意味を持つ。

部品代だけが無料になるわけではない

保証には修理の部品代、作業代、修理のために送る合理的な輸送費が含まれる。ただし、あらゆる出費を無条件で補償するわけではない。

法律情報を提供するÉducaloiの解説では、次のような線引きが示されている。

  • 対象になるのは、保証期間中に正常に動かなくなった製品の修理。
  • 通常の手入れや、それに伴う消耗部品の交換は対象外。
  • 携帯電話を落として壊すなど、利用者の責任による損傷も対象外。

新品での最初の購入が制度の対象で、期間が残っていれば、後からその製品を買った人にも保証が引き継がれる。中古品であっても、最初の購入時期と残りの保証期間が意味を持つ。

残しておきたいのは「届いた日」の記録

保証期間は引き渡し日から始まる。OPCは、請求書に加え、配送確認メールや納品書などの保存を勧めている。

大型家電では、注文日と配達日がずれることもある。故障時に期間を確認できるよう、購入と配送の記録を一緒に残しておくことが実務上の備えになる。

小売側が懸念するのは、修理を引き受ける負担

制度が無料修理を約束しても、部品や技術者がすぐ確保できるとは限らない。

中小企業を代表するカナダ独立事業連盟(CFIB)は、2026年9月、現行内容での導入に反対し、1年間の延期と経済影響の検証を求めた。同団体が公表した意見では、特に次の点を問題にしている。

  • 小売店は製品設計や部品供給を管理できなくても、消費者への責任を負う。
  • 修理技術者が不足すると、修理待ちが長引くおそれがある。
  • 保証にかかる費用が、販売価格に反映される可能性がある。

これは事業者団体の主張であり、導入後に実際に起きた値上がりや修理遅延の実績ではない。ただ、保証期間を延ばすだけでは解決しない課題を示している。

販売店が修理を受け付けても、メーカーから部品が届かなければ、利用者の不便は続く。制度の評価には、無料になった金額とともに、使える状態へ戻るまでの日数を見る必要がある。

今後の焦点は、保証が買い替えの回避につながるか

10月17日時点では、制度開始からまだ12日。長期保証による家計負担の変化や、製品を長く使う効果を判断するには早い。

修理を選びやすくなれば、故障後すぐに新品を買う必要は減る。一方、修理待ちが長ければ、費用が無料でも買い替えに向かう家庭は出てくる。ここは今後の運用で差がつく部分だ。

注目したい点は3つある。

  1. 売り場の説明:価格の近くに保証期間が示され、有料保証との違いを理解できるか。
  2. 修理の速さ:受け付けから完了までに、どれだけ時間がかかるか。
  3. 費用の行方:購入価格と故障時の自己負担を合わせた家計支出が、どう変化するか。

冷蔵庫の「6年保証」が暮らしの安心になるには、6年という表示に加え、壊れたときに部品と修理担当者がそろうことが欠かせない。

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