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3月16日以降の株価はどう動く? イラン情勢で分ける有望セクターと避けたい銘柄

3月16日以降の株価はどう動く? イラン情勢で分ける有望セクターと避けたい銘柄

結論から言うと、2026年3月16日(月)以降の日本株は、指数全体を強気で追うより、原油高と地政学リスクに強い銘柄へ絞る局面です。2026年3月13日時点で日経平均は53,867.74、Brent原油は97.22ドルと高止まりしており、短期ではエネルギーと防衛が相対優位です。逆に、航空のように燃料コストの上昇をまともに受ける業種は、業績が良くても株価は逆風を受けやすい。この記事では、事実と予測を分けながら、3月16日以降の見立てを整理します。

※以下は2026年3月13日時点の公開情報をもとにしたシナリオ整理であり、将来の値動きを保証するものではありません。

目次

3月16日以降の基本シナリオ

まず事実です。APによると、3月13日の東京市場で日経平均は前日比1.1%安の53,867.74でした。Brent原油は97.22ドル、WTIは95.22ドルで推移し、Wall Streetでは前日3月12日にS&P500が1.5%安、NASDAQが1.8%安となっています。つまり、すでに市場は「中東リスクの再評価」を始めています。

そのうえでの見立ては次の通りです。

シナリオ想定される情勢3月16日以降の日経平均の見立て強いセクター控えたいセクター
緊張継続ホルムズ海峡の混乱が続き、Brentが95〜105ドルで高止まり52,500〜55,000の重い推移上流エネルギー、防衛、高配当資源株航空、化学、景気敏感内需
いったん沈静化船舶交通の正常化期待が強まり、Brentが85〜95ドルへ低下55,000〜57,000へ自律反発自動車、半導体、売られた航空株の戻り原油連動株の高値追い
再悪化海峡封鎖長期化や追加攻撃でBrentが110〜120ドル再接近50,000〜52,500方向を試す上流エネルギー、防衛、金関連航空、運輸、消費関連全般

このレンジは筆者の推計です。基準にしているのは、3月13日時点の株価・原油価格と、IEAの緊急備蓄放出、それでもなお続く海上物流の混乱です。

なぜ日本株は特に揺れやすいのか

日本株が米国株以上に神経質になりやすい理由は、日本がエネルギー輸入国であり、しかもアジアがホルムズ海峡への依存度で最前線にいるからです。

米EIAによると、ホルムズ海峡を通る石油は2025年平均で日量20.7百万バレル、2025年前半でも20.9百万バレルに達し、世界の石油消費の約2割に相当します。しかも、同海峡を通る原油・コンデンセートの89%はアジア向けで、中国、インド、日本、韓国の4か国で74%を占めます。日本にとっては「遠い戦争」ではなく、輸入コストに直結するニュースです。

さらにIEAは3月11日、加盟国が4億バレルの緊急備蓄を放出すると発表しました。これは過去最大規模ですが、同時にIEAは、2月28日に始まった中東紛争により、ホルムズ海峡経由の原油・製品輸出量が戦前の10%未満に落ち込んでいるとも説明しています。つまり、備蓄放出はショックを和らげる材料ではあっても、問題が解決したわけではありません。

ここで効いてくるのが、過去の市場パターンです。2025年6月にイスラエルとイランの緊張が高まった局面では、Reutersによると、原油は約7%上昇し、エネルギー株と防衛株が上がる一方、DeltaやUnitedなど航空株は3〜4%台で下落しました。今回の構図は、より規模が大きい形で再現されやすいと見ておくべきです。

加えて、IMFは「原油価格が10%上がると、翌年の世界成長率を0.15ポイント押し下げ、世界インフレを0.4ポイント押し上げる」と試算しています。世界銀行も、中東の深刻な供給障害ではBrentが100ドル超に達し、世界のインフレをほぼ1ポイント押し上げうるとしています。株式市場にとっては、原油高は単なるコスト増ではなく、金利低下期待の後退とバリュエーション圧縮を呼びやすいのです。

有望セクターは「上流エネルギー」と「防衛」

INPEX(1605): もっとも分かりやすい原油高の受け皿

現局面で最も筋が通りやすいのはINPEXです。理由は単純で、会社の2026年業績前提がBrent平均63ドルと、足元の97ドル前後よりかなり低いからです。会社側は2026年の年間配当予想を1株108円とし、2025年実績も1株100円まで積み上げています。つまり、もともと保守的な前提で株主還元を設計している企業に、原油高が上乗せされる構図です。

投資判断としては、3月16日以降も強気寄りです。特にBrentが95ドルを上回って定着するなら、短期の資金はまずここに向かいやすい。ただし、情勢が急速に沈静化してBrentが90ドルを割り込むなら、真っ先に利食いが出やすい銘柄でもあります。買うなら一気ではなく、分割で入るほうが無難です。

三菱重工業(7011): 地政学テーマの中心だが、高値追いは慎重に

防衛の本命は三菱重工です。2026年2月4日に公表した2025年度第3四半期決算では、受注高が前年同期比12.6%増の5兆291億円、売上収益が9.2%増の3兆3,269億円、事業利益が25.5%増の3,012億円でした。通期見通しも上方修正しており、業績の裏付けは十分あります。

投資判断は中期強気、短期は押し目待ちです。地政学リスクが長引くほど選好されやすい一方、すでに相当買われているため、ニュースだけで飛びつくと値幅を取りにくい。3月16日以降に指数が弱くても、相対的に粘るなら保有継続の理屈はありますが、新規で入るなら大きく上に走った日より、全体相場の押しで拾うほうが勝ちやすいと思います。

控えたいのは航空株。ただし停戦なら一転して有力候補になる

日本航空(9201): 業績は悪くないが、いまは原油と地政学の逆風が勝つ

JALの足元の業績自体は弱くありません。2026年2月時点の会社説明では、2025年度第3四半期累計の売上収益は1兆5,137億円、EBITは1,791億円、純利益は1,137億円で、売上・利益とも前年超えです。年間配当予想も92円まで積み上がっています。

それでも、3月16日以降の短期判断はいったん回避です。理由は明快で、航空株は「原油高」と「航路制約」と「景気不安」の三重苦を受けるからです。業績が良い会社ほど、市場は次の燃料コスト上昇を先回りして織り込みにいきます。今のJALは悪い会社だから売られるのではなく、良い会社だが局面が悪いという整理が近いです。

ANAホールディングス(9202): 同じく短期は慎重、沈静化なら監視リスト入り

ANAも同じ見方です。2026年1月30日公表の2025年度第3四半期資料では、累計売上高が1兆8,773億円、営業利益が1,807億円、親会社株主帰属利益が1,392億円でした。事業そのものは持ち直しており、通常の景気回復局面なら評価しやすい数字です。

ただし、今の相場では評価軸が違います。Brentが100ドル近辺に張り付き、海上輸送や中東空域の不透明感が続く限り、航空株は「買われる理由」より「売られる理由」のほうが多い。したがって現時点の判断は回避、もしくは監視にとどめるのが妥当です。

一方で、ここは重要です。イラン情勢が沈静化したとき、JALとANAはむしろ有力な反転候補になります。 もともとの業績が崩れていないため、原油が90ドルを下回り、海上・航空物流の正常化が見えた段階では、エネルギー株より先に資金が戻る可能性があります。

3月16日以降の実践的な見方

忙しい読者向けに、投資判断を一枚にまとめるとこうなります。

銘柄セクター現時点の判断どんな情勢で強いかコメント
INPEX(1605)上流エネルギー強気原油高継続、海峡混乱長期化会社前提のBrent63ドルに対し足元価格が大幅上振れ
三菱重工業(7011)防衛・重工押し目買い地政学リスク長期化業績上方修正済み。高値追いより押し目待ち
日本航空(9201)航空回避情勢沈静化後に再評価業績は堅いが、短期は燃料と航路リスクが重い
ANAホールディングス(9202)航空回避情勢沈静化後に再評価JAL同様、いま買う理由より待つ理由が勝る

最後に: いま勝ちやすいのは「指数」より「セクター選別」

3月16日以降の相場で重要なのは、日経平均が上か下かを当てることではありません。原油高が続くならINPEX、地政学リスクが長引くなら三菱重工、逆に情勢が和らいでからJALやANAを拾う。この順番を間違えないことのほうが大事です。

現時点の主戦略は、指数一括買いではなく、エネルギーと防衛を軸にした守り寄りの攻めです。航空は「いまは待つ」、ただし「停戦なら一気に見直す」。これが、2026年3月13日時点で最も整合的なスタンスだと考えます。

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