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川崎市、マンホールトイレに最大60万円補助 自宅近くの災害対策へ|2026年10月30日版

集合住宅の敷地に設置された災害用マンホールトイレのイメージ。

川崎市、マンホールトイレに最大60万円補助 自宅近くの災害対策へ|2026年10月30日版

災害時、自宅で暮らし続けられても、トイレを使えるとは限らない。川崎市は10月19日、自治会やマンション管理組合などが整備するマンホールトイレに、対象費用の3分の2、最大60万円を補助する制度を始めた。

狙いは、避難所以外で生活する人も、自宅近くで衛生的なトイレを使える場所を増やすことだ。ただし、便器やテントを購入するだけでは対象にならず、排水管などの工事が必要になる。

  • 申請期間は2026年12月18日まで。予算上限に達すれば終了する。
  • 自治会、自主防災組織、共同住宅の所有者・管理組合、事業者などが対象。
  • 交付決定通知が届く前の購入・設置は補助対象外となる。
目次

避難所の外にも、使えるトイレを増やす

今回の補助は、地域で避難生活を支える設備を増やす取り組みだ。

市の制度創設の発表は、避難所以外の場所で生活する市民が、自宅近くでトイレを使える環境づくりを目的に掲げている。マンションや事業所などが担い手に含まれるのは、公共施設だけでは届きにくい場所にも備えを広げるためだ。

マンホールトイレは、排水管などの設備と、便座・目隠しとなるパネルやテントなどを組み合わせて使う。普段から工事を済ませ、災害時にトイレ機能を確保する仕組みである。

補助を使うなら、購入より先に申請を

検討する団体が気を付けたいのは、工事と手続きの順番だ。

市の制度案内によると、排水管・汚水ますの設計や工事が必須となる。上部の便器やテント、貯水タンクだけを買う申請は対象外だ。

主な条件は次のとおり。

  • 対象となる工事費・購入費は消費税込みで計算する。
  • 配送費は補助に含まれない。
  • 設置場所の所有者が申請者と異なる場合などは、所有者・共有者の同意が必要。
  • 予算は200万円で、市は「約3件分」と案内している。

この「約3件分」は予算規模の目安であり、現在の残り枠を示す数字ではない。申請を考える場合は、受付状況を確認したうえで、工事内容や見積もりを詰める必要がある。

ここがポイント: 先に設備を買ってから補助を申請する順番では使えない。管理組合や自治会では、購入の決定前に制度の条件を確認したい。

仮設トイレを運ぶだけでは続かない

背景には、災害後のトイレをどう維持するかという問題がある。

川崎市は避難所等の整備方針で、仮設トイレを中心とする対策について、発災後の道路状況やバキュームカーの台数を考えると、継続的な運用が難しくなる懸念を示している。設置できても、し尿の回収が続かなければ使い続けられない。

一方、市は避難所と水処理センターを結ぶ下水管の耐震化や、市立小・中学校の応急給水拠点を、マンホールトイレを活用する土台と位置付けている。

公共施設については、既設分を除く150避難所と5区役所に整備する計画だ。2026年度から中学校での工事に着手し、おおむね2031年度の完了を目指す。今回の民間・地域向け補助は、この公共施設の整備と並行する取り組みになる。

設備を置いた後、誰が使える状態にするか

補助で工事費の負担を減らせても、災害時の運用は別に決めておく必要がある。

市の公共施設向け計画には、女性や子どもの夜間利用を想定した照明、場所を知らせるサイン、設置マニュアルも盛り込まれている。トイレは、便器と目隠しがそろえば準備完了という設備ではない。

地域で導入を検討する際も、次の点は話し合っておきたい。

  • 保管した便器やパネルを、誰が取り出して組み立てるか。
  • 夜間の照明や、利用場所への案内をどう用意するか。
  • 清掃や消耗品の補充を、誰が担うか。

これらは補助条件とは別の、運用上の検討点だ。12月18日の申請期限に向けては、設備の見積もりと一緒に、災害時に誰が使える状態にするのかまで決められるかが課題になる。

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