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食品値上げが6月1,078品目から7月は2,269品目へ倍増——「ナフサ不足」という新要因が家計を押す|2026年6月18日版

食品値上げが6月1,078品目から7月は2,269品目へ倍増——「ナフサ不足」という新要因が家計を押す|2026年6月18日版

2026年の値上げは、夏に向けて勢いを増している。帝国データバンクの調査では、6月の飲食料品の値上げは1,078品目、続く7月は2,269品目と、ひと月でおよそ倍に膨らむ見通しだ。

これまでの値上げは円安と原材料高が主役だった。今年の夏で新しいのは、中東情勢の緊迫に伴うナフサ(原油由来の石化原料)不足が、トレーやフィルムといった「中身ではなく包装」を直撃している点にある。

しかも食卓だけの話ではない。電気料金の再エネ賦課金は制度開始以来の最高値に上がり、政府の電気・ガス補助はすでに終わっている。同じ時期に複数の負担が重なり、家計の実感としての値上げは品目数の数字より重い。

目次

まず押さえる要点

  • 6月の飲食料品値上げは1,078品目、平均値上げ率は14%(帝国データバンク調べ)
  • 7月は2,269品目へ倍増。パン、即席麺、ハム・ソーセージなどが中心
  • 2026年通年は1〜10月判明分で9,361品目、5年連続で年間1万品目突破がほぼ確実
  • 新要因は中東情勢によるナフサ不足で、包装・資材コストを押し上げている
  • 電気の再エネ賦課金は1kWhあたり4.18円と過去最高、政府補助も終了済み

何が起きているか

帝国データバンクが食品主要195社を対象にまとめた調査によると、6月の値上げは1,078品目に上った。1回あたりの平均値上げ率は14%で、1割を超える改定が当たり前になっている。

6月単月で目立ったのは身近な調味料だ。

  • 調味料:450品目(香辛料やふりかけなどが中心)
  • 加工食品:304品目(納豆、缶詰、即席麺など)

そして翌7月は2,269品目と、6月から倍増する。菓子パン・食パン、ハム・ソーセージ、即席麺といった、毎日の買い物かごに入りやすい品が並ぶ。値上げの波が「たまに買う嗜好品」から「日々の主食まわり」へ広がっていることが、夏の特徴だ。

通年で見ると、2026年は1〜10月の判明分だけで9,361品目。年間1万品目の突破は5年連続となる見込みで、値上げが一過性のイベントではなく常態になっていることを示している。

なぜ今、局面が変わったのか

値上げ要因の内訳を見ると、コスト高が一斉に効いている構図が浮かぶ。

要因値上げに影響した割合
原材料高97.7%
物流費74.1%(最高水準)
包装・資材73.7%(前月から増加)
人件費54.7%
エネルギー53.0%
中東情勢22.7%

注目すべきは、包装・資材が前月から増え、要因として4社に3社近くにまで広がっている点だ。背景にあるのが中東情勢の緊迫だ。原油から作るナフサの供給が滞り、食品トレーやフィルムといった石油化学製品の原料が値上がりした。

つまり、中身の素材が変わらなくても、それを包む容器や袋のコストが上がる。原材料高に包装コスト高が重なる「二重の転嫁」が、6月から7月にかけての値上げ拡大を後押ししている。中東情勢を要因に挙げた値上げが全体の2割超に達したことが、その新しさを物語る。

ここがポイント:今年の夏の値上げは「原材料が高い」だけではない。中東発のナフサ不足が包装・物流まで波及し、食品も日用品も同時に押し上げている。

食卓の外でも負担が重なる

家計を圧迫しているのは食品だけではない。同じ6月、固定費まわりでも負担が増えている。

電気代:再エネ賦課金が過去最高

再生可能エネルギーの普及費用を電気利用者が負担する「再エネ賦課金」が、1kWhあたり4.18円(前年比+0.20円)に引き上げられた。制度開始以来の最高値だ。5月検針分から適用され、6月の請求にまるまる1カ月分が反映される。

年間の負担増の目安はおおむね次の通り。

  • 1人暮らし(月200kWh):年間約480円増
  • 2人世帯(月260kWh):年間約624円増
  • 3〜4人世帯(月350kWh):年間約840円増
  • オール電化など(月500kWh):年間約1,200円増

加えて、電気・ガスの政府補助は4月で完全終了している。賦課金の上昇と補助の打ち切りが重なり、光熱費全体での増加が見えやすい時期に入った。

タイヤなど耐久品も改定

日本ミシュランタイヤは6月1日から夏タイヤを平均3〜5%値上げした(冬タイヤは9月1日に同率改定予定)。1本2万円のタイヤを乗用車4本セットで交換する場合、2,400〜4,000円程度の追加負担が目安になる。買い替え頻度は低くても、まとまった出費が一段重くなる。

食品の小刻みな値上げに、電気の固定費増と耐久品の改定が重なる。「気づけば全体的に高い」という生活実感は、こうした複数の積み重ねから来ている。

ネットでの受け止め

値上げ報道に対しては、SNSなどで「節約の工夫も限界が近い」「給与の伸びが物価に追いつかない」といった、家計のやりくりへの戸惑いを示す声が目立つ。一方で、まとめ買いやプライベートブランドへの切り替え、ポイント還元の活用など、具体的な対策を共有する投稿も広がっている。

全体としては、値上げそのものを責めるより、長く続く負担増にどう向き合うかへ関心が移りつつある印象だ。

今後の注目点

夏に向けて、家計と政策の両面で見ておきたい点を整理する。

  • 7月以降の品目数:2,269品目の7月がピークなのか、さらに後ろ倒しの値上げが積み上がるか
  • ナフサと中東情勢:供給不安が長引けば、包装・物流コスト経由で食品以外にも波及が続く
  • 賃金との差:物価上昇に賃上げが追いつくかが、実質的な負担感を左右する
  • 金利との関係:利上げ局面で物価上昇がどこまで抑えられるかは、住宅ローンや預金とも絡む論点
  • 物価高対策:電気・ガス補助の再開や定額給付など、追加策の有無が次の焦点になる

値上げの数字は毎月更新されるが、家計にとって本当に効くのは「いつ、何が、どれだけ重なるか」だ。当面は包装資材の動向と光熱費の固定費増を合わせて見ておきたい。

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