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EUで「長持ち保証」ラベル開始へ 買い物時のグリーン表示はどう変わる?|2026年9月15日版

EUの店舗で商品の保証表示を比較する消費者。

EUで「長持ち保証」ラベル開始へ 買い物時のグリーン表示はどう変わる?|2026年9月15日版

EUでは2026年9月27日から、商品の保証と環境表示に関する新しい消費者保護ルールが適用されます。店頭や通販サイトには法定保証を知らせる共通表示が登場し、一定の長期保証が付く商品には「GARAN」ラベルが使われます。

変わるのはラベルだけではありません。根拠のない「環境に優しい」「グリーン」といった宣伝や、商品の寿命・修理可能性について消費者を誤認させる表示も規制対象になります。

  • 適用開始は2026年9月27日
  • EUで販売される商品の法定保証を共通表示で案内
  • 2年を超える無料の耐久保証には「GARAN」ラベル
  • 曖昧な環境主張や信頼性のないサステナビリティ表示を規制
目次

店と通販サイトに「最低2年の法定保証」を表示

今回の制度で消費者が最も目にしやすい変化は、保証に関するEU共通表示です。

EUでは、販売された商品に少なくとも2年間の法定保証があります。商品が本来の機能を果たさない場合、売り手には無料の修理または交換が求められ、状況によっては値下げや返金の対象になります。国によっては、これより長い保証期間が設けられています。

欧州委員会によると、この権利を知らせる表示は実店舗とオンライン店舗の双方が対象です。

  • 実店舗では、壁面や会計場所の近くなど目立つ位置に掲示
  • 通販サイトでは、サイト上で一般的な保証案内として表示
  • 消費者が購入前に法定保証の存在を確認できるようにする

保証は契約書の奥に書かれているだけでは、実際の返品や修理の場面で活用されにくいものです。共通表示の狙いは、買い物をする場所で権利を思い出せるようにすることにあります。

「GARAN」は何を保証するラベルなのか

GARANは、すべての商品に一律で付く耐久性評価ではありません。メーカーが条件を満たす長期保証を提供する場合に、その内容を消費者へ伝えるための共通ラベルです。

対象となる保証には、次の条件があります。

  • メーカーが自発的に提供する
  • 消費者に追加料金を求めない
  • 部品の一部だけでなく、商品全体を対象とする
  • 保証期間が2年を超える

つまり、GARANが付いた商品では、表示された期間にわたってメーカーが耐久性を商業保証として約束します。単に企業が「長持ちする」と宣伝する場合とは、責任の重さが違います。

一方、ラベルがない商品を「耐久性が低い」と即断することはできません。メーカーが対象となる長期保証を設けていない可能性もあるためです。GARANは商品の寿命を横並びで採点する制度ではなく、長期保証の有無と期間を比べやすくする仕組みと捉えるのが正確です。

欧州委員会が実施した行動実験では、ラベルがない場合と比べ、長期保証を明示した価格の高い商品を選ぶ回答者が増えました。保証期間が購入判断の材料になれば、メーカー側にも壊れにくい商品を売る動機が生まれます。

ここがポイント: 共通表示は既存の法定保証を見えるようにし、GARANはメーカーが追加料金なしで約束する2年超の耐久保証を示します。両者は別のものです。

「環境に優しい」だけでは通りにくくなる

新ルールは、商品の保証表示と同時にグリーンウォッシングへの規制も強化します。

EU指令では、公的機関が設けたものでも認証制度に基づくものでもないサステナビリティラベルを表示する行為が禁止対象になります。「環境に優しい」「エコ」といった一般的な環境主張も、優れた環境性能を裏付けられなければ使えません。

さらに、商品の耐久性や修理可能性をめぐる誤認も対象です。

  • 商品の寿命を制限する機能を消費者に知らせない
  • 耐久性について事実と異なる説明をする
  • 修理できない商品を修理可能と宣伝する
  • 技術上必要ではないのに、早期の買い替えを促す
  • 信頼できる根拠のない独自の環境ラベルを付ける

これまで企業のイメージづくりに使われてきた葉や樹木のアイコンも、具体的な意味や検証方法が不明なら問題になり得ます。消費者にとっては、雰囲気ではなく、素材の割合、保証年数、修理条件などを見て比較しやすくなる方向です。

旧パッケージは直ちに廃棄されるのか

制度の切り替えでは、9月27日より前に製造・発注・流通した商品や包装が残ります。EUの消費者保護当局で構成するCPCネットワークは、こうした「旧在庫」への共通方針を2026年6月にまとめました。

販売事業者には早期の対応が求められますが、当局は個別事情も考慮します。

事業者に求められる対応

オンライン上の表示は更新し、今後の包装や広告物を新ルールに合わせます。可能であれば、売り場で訂正情報を追加することも想定されています。

当局が考慮する事情

包装の切り替え周期、在庫量、既に確定した発注、供給網への依存、商品の保存期間などです。真に移行が難しい場合は、初期段階で指導や是正を優先する運用も認められています。

商品の大量廃棄や回収が過大な費用、不要な環境負荷を生む場合、当局は一律にそれを求めない可能性があります。ただし、これは古い環境表示を無期限に使えるという意味ではありません。事業者が誠実に表示を直しているかが判断の軸になります。

日本の消費者と企業が見るべき点

新制度はEUの消費者法制ですが、日本とも無関係ではありません。

EU域内の店舗や通販を利用する日本人は、保証表示を見る際に「法定保証」と「メーカーの長期保証」を分けて確認する必要があります。GARANがあれば、保証年数に加え、対象範囲や利用条件まで確認したいところです。

EU市場で商品を扱う日本企業には、より直接的な対応が必要です。現地の販売会社や取引先とともに、次の表示を点検する実務が発生します。

  • ECサイトや店頭の保証案内
  • 商品ページに記載した耐久性・修理可能性
  • 包装に印刷した「エコ」「グリーン」などの表現
  • 独自の環境アイコンや認証風のマーク
  • メーカー保証の対象範囲、期間、追加料金の有無

特に、日本向けの広告文を翻訳しただけの商品ページには注意が必要です。日本で一般的に使われている抽象的な環境表現でも、EUでは根拠や認証の有無を問われます。

9月27日以降の注目点

制度開始後は、ラベルが店頭に並ぶだけでなく、各国当局がどの表示から是正を求めるかが焦点になります。

見るべきポイントは3つです。

  1. 通販サイトを含め、法定保証の共通表示が見つけやすい場所に置かれるか
  2. GARANを採用するメーカーと対象商品がどこまで増えるか
  3. 旧在庫や曖昧な環境広告に対し、加盟国間で執行の差が出ないか

消費者にとって実用的なのは、緑色の印象よりも、保証年数、商品全体をカバーするか、修理時に誰が費用を負担するかを見ることです。9月27日以降、EUの売り場でその比較が本当に簡単になるかが、制度の最初の試金石になります。

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