柏市、病院送迎バスを通院以外にも開放へ 65歳以上の外出を空席で支援|2026年10月27日版
病院にかかる日でなくても、病院の送迎バスで出かけられる。千葉県柏市は11月2日から、病院送迎バスの空席を使った高齢者向けの移動支援を実証実験として始める。対象者は事前に申請し、無料で利用できる。
使えるのは指定コースの空席で、満車なら乗れない。 外出の選択肢が増える一方、路線や乗車条件を確かめて使う仕組みだ。
- 受付・利用開始は2026年11月2日。
- 対象は柏市に住民登録がある65歳以上で、一人で乗り降りできる人。
- おおたかの森病院の「初石・江戸川台方面循環コース」を利用する。
- 通院以外の外出にも使えるが、事前申請とパスカードの提示が必要。
何が変わる? 病院へ向かうバスが日常の移動にも使える
今回の変更は、病院送迎バスの空いた座席を、通院以外の外出にも活用することだ。
柏市の事業案内では、利用できるコース、申請方法、乗車時の条件を公表している。市の広報かしわ10月号でも、この実証実験を紹介している。
利用者にとって大切なのは、目的地に近い乗降場所があるかどうか。買い物や用事に使いたくても、自由な場所で乗り降りする方式ではない。病院が指定した乗降場所と時刻に、自分の予定を合わせる必要がある。
ここがポイント: 通院以外にも使えるようになるが、乗れるのは既存コースの空席。外出先だけでなく、帰りの便まで確認しておきたい。
新しい便を増やす前に、走っている車両を生かす
この事業の特徴は、すでに運行している病院送迎バスを地域の移動に役立てる点にある。
新たな交通手段を一から用意する方法とは異なり、既存のコースと座席を活用する。利用者の行き先が沿線に合えば、徒歩だけでは出かけにくい場所へ向かう選択肢になる。
ただし、無料であることと、必ず乗れることは別だ。 市は満車の場合に乗車できないことがあると明記している。時間の変更が難しい用事では、ほかの移動手段も考えておく必要がある。
また、一人で乗り降りできることが対象条件となっている。介助を必要とする人まで、この事業だけで支えられるわけではない。地域の移動支援を評価するときは、利用できる人が増える点と、対象に含まれない人への支援を分けて見る必要がある。
利用するには、本人が窓口で申請
受付も11月2日から。利用前に本人が申請し、その場でパスカードの交付を受ける。
申請先は次の2か所だ。
- 柏市役所分庁舎1・1階の交通政策課
- 西原近隣センターの受付
氏名・住所・生年月日を確認できるものを持参する。市は運転免許証やマイナンバーカードを例として挙げている。
乗車するときは指定の乗降場所で待ち、手を挙げて運転士に知らせる。パスカードを提示し、降りたい指定乗降場所を伝える流れとなる。
市の案内ページには路線図と時刻表へのリンクもある。初めて使う際は、次の順で確認すると予定を立てやすい。
- 自宅から乗降場所まで歩けるか。
- 降車場所から目的地まで無理なく移動できるか。
- 用事を済ませた後に利用できる帰りの便があるか。
- 満車で乗れなかった場合にどう帰るか。
実証で見たいのは「乗れた回数」と「乗れなかった場面」
開始前の現時点では、利用実績や効果はまだ確認できない。空席を使う仕組みが日常の外出に役立つかは、運行開始後の利用状況で見えてくる。
評価の際に注目したいのは、乗車人数だけではない。満車で利用できなかった場面や、往路は使えても復路が合わなかったケースも、使いやすさを判断する材料になる。
市はこの事業を、事業者の厚意によって実施するものと説明している。通院する人の送迎と地域住民の外出を、限られた座席でどう両立させるか。11月2日の開始後は、利用者が実際に往復の予定を組めるかが具体的な確認点になる。
