冷蔵庫は6年、スマホは3年の無料修理保証 ケベック州で新制度|2026年10月19日版
カナダ・ケベック州で10月5日、対象の新品家電や電子機器に、3〜6年間の無料修理を自動で保障する制度が始まった。冷蔵庫は6年、洗濯機は5年、スマートフォンは3年。購入者が有料の延長保証に加入しなくても、法律に基づく保護を受けられる。
変わるのは故障時の負担だけではない。販売店は価格の近くに保証期間を表示しなければならず、消費者は買う前から「何年間、無料修理を求められるか」を確認できる。州政府の制度発表が、その仕組みを説明している。
- 対象は10月5日以降に事業者から新品で購入・長期賃借する指定機器。
- 保証期間は品目ごとに3〜6年で、配達日から数える。
- 修理は販売店またはメーカーに求められ、部品代や作業代などを含む。
- 誤使用による損傷や通常のメンテナンスは対象外。
「何年使えれば妥当か」を、品目別の年数で示す
新制度の名称は「正常に作動することの保証(garantie de bon fonctionnement)」。現地のCityNewsも、10月5日の施行を無料修理を受ける権利の拡充として報じた。
ケベック州には以前から、商品が通常の用途に使え、合理的な期間は持つことを求める法的保証がある。ただ、「合理的な期間」は商品価格や使用状況などによって変わる。
今回加わったのは、指定された機器について保証期間をあらかじめ数字で示す仕組みだ。州の消費者保護当局によると、期間は次のように分かれる。
- 6年:調理用レンジ、冷蔵庫、冷凍庫、エアコン、ヒートポンプ
- 5年:洗濯機、衣類乾燥機、食器洗い機
- 4年:テレビ
- 3年:ノート・デスクトップパソコン、ゲーム機、携帯電話、タブレット
新しい保証が終わっても、従来の「合理的な期間」の保証が使えなくなるわけではない。州当局は、両者が併存すると説明している。9月15日の施行前発表でも、この点を強調した。
ここがポイント: 3〜6年という年数は、対象商品の無料修理を求められる期間を明確にするもの。その年数を過ぎた瞬間に、ほかの法的保護まで消えるわけではない。
故障したら、販売店とメーカーのどちらに連絡できる?
消費者が窓口を選べることも、この制度の重要な部分だ。
州当局の消費者向け案内では、購入した販売店、メーカー、またはその両方に連絡できる。販売店が「メーカーに聞いてほしい」と対応を押し付けることも、その逆も認められない。
保証に含まれるのは、修理に必要な部品と作業の費用、修理に出すための合理的な輸送費だ。一方、使い方が原因の損傷や、フィルター交換など通常の手入れは含まれない。
購入者が残しておきたいのは、次の記録になる。
- 購入日を示す請求書やレシート
- 配達日を示す納品書、配送確認メール
- 対象商品の保証期間が分かる資料
特に、契約日と配達日は役割が違う。10月5日以降の対象契約かどうかで制度の適用が決まり、配達日から保証期間を数える。施行前に購入し、施行後に届いた商品は、この新保証の対象にはならない。
また、先に自分で修理業者へ依頼し、後から請求書を販売店に送ればよいわけではない。無料修理を求める場合は、まず販売店かメーカーへ連絡し、修理を手配してもらうか、第三者への依頼を認めてもらう必要がある。事業者向け公式Q&Aが、この手順を明記している。
有料の延長保証を買う前に、無料の範囲が見える
制度は、家電売り場での判断にも関わる。
販売店は、対象商品の価格の近くに法定保証の期間を分かりやすく表示する。店頭だけでなく、オンラインや広告でも同様だ。有料の追加保証を提案するときには、法的保証について説明する必要もある。
消費者は、まず自動で付く無料保証を確認し、そのうえで追加料金に見合うサービスがあるかを比べられる。たとえば、検討すべきなのは次の点だ。
- 法定保証と有料保証で、修理費の補償がどこまで重なるか
- 事故による損傷など、法定保証の対象外を補うか
- 代替機や訪問対応など、修理費以外のサービスが付くか
これらは追加契約を読む際の比較項目であり、すべての有料保証が提供するサービスではない。「延長保証」という名称だけで判断せず、無料で受けられる内容との差を確認することになる。
次の焦点は、修理までどれだけ待つか
無料になることと、すぐ直ることは別の問題だ。
公式Q&Aによると、この保証には「何日以内」といった一律の修理期限はない。ただし、合理的な期間内に修理する必要がある。修理に出している間は、その分だけ保証期間も延びる。
制度が家計の助けになるかを見るには、費用に加えて、部品の確保や修理の手配が円滑に進むかを確かめる必要がある。冷蔵庫や洗濯機は、使えない日が続けば生活への負担が大きい。
今後の注目点は3つだ。
- 売り場の表示:価格のそばで、無料保証の年数をすぐ確認できるか。
- 故障時の受付:販売店とメーカーが、消費者を別の窓口へ回さず対応するか。
- 修理の待ち時間:費用負担がなくても、生活に必要な機器が長期間使えない事態を避けられるか。
ケベック州の新制度は、購入時の価格比較に「故障後に誰が費用を持つか」を加えた。次に問われるのは、その保証を使った人が、実際にどれだけ早く機器を使い直せるかだ。
