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宮崎「ねこみやバス」始動、人と宅配荷物を一緒に運び地域の足を守る|2026年10月7日版

宮崎の山間地域で乗客と宅配荷物を運ぶ小型車両のイメージ。

宮崎「ねこみやバス」始動、人と宅配荷物を一緒に運び地域の足を守る|2026年10月7日版

宮崎県の日向・入郷地域で10月1日、人と宅配荷物を同じ車両で運ぶ「ねこみやバス」の実証運行が始まった。住民は事前予約なしで乗車でき、運賃や乗り方は宮崎交通の路線バスと同じ。買い物や通院のための移動と、山間地域への荷物輸送を一つの運行で支える取り組みだ。

実証は2027年3月末まで。宮崎交通とヤマト運輸は、利用状況や効果を検証し、同年4月の本格運行を目指す。開始したことと、継続できることは別であり、これから半年の運行が判断材料になる。MRT宮崎放送が運行初日の様子を報じている。

  • 日向市、美郷町、諸塚村、椎葉村にまたがる地域で運行
  • 道の駅とうごうを起点とする3路線、計19便/日
  • 車両は大型ワンボックスカーで、乗客は最大4人
  • 実証期間は2026年10月1日〜2027年3月31日
目次

予約なしで乗れる、いつものバス停を使う

名称は「バス」だが、使うのは大型ワンボックスカーだ。既存の宮崎交通の路線・バス停を使い、実証期間中も路線バスの一部の便が並行して走る。

宮崎交通の公式案内では、運行路線を次のように示している。

  • おし谷線:道の駅とうごう―塚原―おし谷、1日8便
  • 神門線:道の駅とうごう―神門・浜砂橋、1日9便
  • 池野線:道の駅とうごう―池野、1日2便

利用者にとって大切なのは、予約用アプリを使う必要がないことだ。事前予約は不要で、誰でも乗車できる。乗車・支払い方法も宮崎交通の路線バスと同様とされている。

ただし、3路線の便数には差がある。池野線は1日2便なので、出かける前に往路だけでなく帰りの便も確認したい。公式案内に掲載された運行ダイヤを見て、受診や買い物の予定と合わせる必要がある。

荷物を運ぶ車両が、住民も運ぶ

今回の工夫は、車両だけを小さくすることではない。旅客輸送と宅配の仕事を組み合わせ、地域を走る人と車を活用する点にある。

荷物は道の駅とうごうで車両後部の専用スペースに積み込む。その後、集配エリアのバス停で待つヤマト運輸のドライバーに引き渡す。乗客と荷物が同じ車両で移動しても、宅配先を一軒ずつ回る仕組みではない。

運転は研修を受けたヤマト運輸の社員

UMKテレビ宮崎の報道によると、運転を担うのは宮崎交通の研修を受けたヤマト運輸の社員。普通免許でも乗客を運べる「公共ライドシェア」の制度を活用する。

同報道は、日向・入郷地域では運転士不足などによる路線バスの減便で、住民の移動手段の確保が難しくなっていると伝えた。既存のバス運転士だけで便を維持することが難しい地域で、物流を担う社員も旅客輸送に参加する形だ。

宅配側にも、長距離往復を減らす狙い

共同発表によると、ヤマト運輸はこの地域の集配で、日向営業所から片道約90分をかけて1日2往復していた。ねこみやバスの活用によって、これを1日1往復に減らす計画だ。

住民の移動を支える一方で、宅配側も長距離移動の負担を減らす。双方に運行を続ける理由をつくることが、この実証の要になる。ただし、往復削減による実際の効果は今後の検証を待つ必要がある。

ここがポイント: 住民は既存のバス停から乗り、荷物は専用スペースで運ぶ。利用方法を大きく変えずに、運転を担う人と輸送の仕事を組み合わせ直している。

地元からは期待、利用者の評価はこれから

運行初日を伝えた地元報道では、生活の足を維持することへの期待が示された。

MRT宮崎放送は、日向市の西村賢市長が買い物や通勤の利便性向上、自治体間の往来の広がりに期待を寄せたと報じている。宮崎交通の担当者も、地域の足を守り、取り組みを長く続けたいとの考えを示した。

一方、これらは自治体や事業者の発言だ。利用者が実際にどう評価しているか、乗りたい時間に乗れているかを示すまとまった結果は、今回確認した資料にはない。開始時の期待を、そのまま住民全体の評価と受け取ることはできない。

本格運行の判断で見たい三つの点

半年後に問われるのは、運行できたかだけではなく、日常の用事に使える交通になったかだ。

公表された検証結果を見る際には、次の点が判断材料になる。

  • 通院や買い物に使える時刻か:行きと帰りを組み合わせられるか。便数が少ない路線では特に重要だ。
  • 最大4人の定員で需要に対応できるか:利用人数だけでなく、満員で乗れなかったケースの有無も知りたい。
  • 旅客と荷物の輸送を無理なく両立できるか:荷物の受け渡しを含めて運行を続けられるか、物流側の往復削減が実現したか。

これらは本記事が挙げる確認点であり、すでに問題が発生したという意味ではない。

2027年4月の本格運行は、現時点では目標だ。次に注目したいのは、利用者数に加えて、住民が用事を済ませて帰れるダイヤと、定員4人での利用実態がどこまで具体的に示されるかである。

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