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名古屋の浸水住宅、修理前に何をする?写真保存と「先払いしない」が重要|2026年9月16日版

浸水した住宅で片付け前に被害箇所を撮影する住民のイメージ

名古屋の浸水住宅、修理前に何をする?写真保存と「先払いしない」が重要|2026年9月16日版

名古屋市は、9月8日の大雨で被災した住宅を対象に、災害救助法に基づく応急修理の受け付けを9月14日に始めました。

利用を考えている人が最初に押さえたいのは、片付ける前に被害箇所を撮影し、市の手続きを確認するまで修理代を支払わないことです。すでに業者へ支払いを済ませた工事は、制度の対象外になります。

  • 応急修理の上限は、半壊以上などで75万7,000円、準半壊で36万7,000円
  • 対象は居室、台所、トイレなど、生活に欠かせない部分
  • 市が修理業者へ直接支払う仕組みで、被災者への現金給付ではない
  • 自宅に住めない人向けには、市営住宅23戸の一時提供も始まっている
目次

名古屋市が始めた住宅支援

今回の応急修理は、被災した家を元どおりに全面改修する制度ではありません。必要最小限の修理によって、避難所などへ移らず自宅で生活を続けられる状態にすることが目的です。

対象となるのは、罹災証明書で次のいずれかに認定された住宅です。

  • 大規模半壊
  • 中規模半壊
  • 半壊
  • 準半壊

中規模半壊、半壊、準半壊では、自力で応急修理する資力がないことも要件になります。全壊は原則として対象外ですが、応急修理によって居住できる場合は対象になり得ます。

限度額は1世帯当たり、次のように設定されています。

  • 大規模半壊・中規模半壊・半壊:75万7,000円以内
  • 準半壊:36万7,000円以内

限度額を超える工事や制度の対象外となる部分は自己負担です。修理は原則、災害発生から3カ月以内に完了する必要があります。

最も注意したいのは「修理前」の行動

制度を使えるかどうかは、工事の内容だけでなく、着手前の手順にも左右されます。

片付ける前に写真を残す

名古屋市は、被害状況を確認できる写真が必要だと案内しています。清掃や家財の搬出を先に進めると、浸水の高さや損傷箇所が分からなくなることがあります。

撮影時は、住宅の全景と被害箇所の両方を残し、可能であれば異なる方向から撮っておくと確認しやすくなります。罹災証明書の申請も早めに進める必要があります。

業者へ先に支払わない

この制度では、名古屋市が修理業者へ工事を依頼し、費用を直接支払います。被災者がいったん立て替え、後から払い戻しを受ける制度ではありません。

市によると、受付開始前に業者へ工事を依頼していたケースでも扱いを確認できる場合があります。ただし、すでに工事費を支払っている場合は対象外です。緊急性が高い修理でも、契約や支払いの前に住宅企画課へ相談するのが安全です。

ここがポイント: 「後から補助金を申請すればよい」と考えて先に支払うと、対象から外れる可能性があります。写真を残し、罹災証明書を申請し、市へ相談する順番が重要です。

自宅に戻れない場合は市営住宅も選択肢

応急修理だけでは生活を再開できない世帯に向け、名古屋市は市営住宅23戸を先着順で受け付けています。不足が見込まれる場合は、住宅を順次追加する予定です。

主な条件は次のとおりです。

  • 9月8日の大雨で被災し、自宅に住めなくなった名古屋市民が対象
  • 当初の入居期間は2カ月以内
  • 最大で通算1年まで延長可能
  • 当初期間の使用料は無料
  • 延長期間の家賃相当額、駐車場代、水道光熱費などは入居者負担
  • 申請には入居者全員の住民票と罹災証明書が必要

応急修理と応急仮設住宅は原則として併用できません。ただし、自宅が半壊以上で、修理に1カ月を超える見込みがある場合には例外があります。どちらを選ぶべきかは、住宅の被害認定と修理期間を踏まえて市に確認する必要があります。

ネット上では急激な浸水被害が可視化

9月8日の大雨では、名古屋市千種区で1時間に104.5ミリの雨量が観測されました。SNS上には道路冠水や浸水の状況を伝える投稿が相次ぎ、被害が短時間で広がった様子が共有されました。

こうした投稿は状況を知る手掛かりになりますが、支援の対象判定に使われるのは、自治体による住家の被害認定と罹災証明書です。SNSの写真だけで手続きが完了するわけではありません。

また、日本損害保険協会は、保険金請求では自治体の罹災証明書が原則不要だと案内しています。一方で、「保険が使える」と勧誘する住宅修理業者や、保険金請求を代行する業者とのトラブルにも注意を呼びかけています。

公的な応急修理、民間保険、自己負担の修理は、それぞれ手続きが異なります。契約を急がず、市と保険会社の双方に確認することが欠かせません。

これから確認すべき3点

被災世帯にとって、次の焦点は制度があるかどうかではなく、実際に利用できるかです。

  • 罹災証明書で住宅がどの被害区分に認定されるか
  • 希望する工事が「日常生活に必要最小限の修理」に含まれるか
  • 修理業者の案内や手配体制がいつ整うか

名古屋市は、相談に対応できる施工業者のリストを準備中としています。被害写真を確保し、支払いや本契約をする前に市へ相談することが、支援を取りこぼさないための現実的な第一歩です。

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