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東京都、25歳未満の「ユースクリニック」を20医療機関で開始 無料相談と緊急避妊支援の仕組み|2026年8月30日版

東京都のユースクリニックで若者が医療専門職に相談する様子。

東京都、25歳未満の「ユースクリニック」を20医療機関で開始 無料相談と緊急避妊支援の仕組み|2026年8月30日版

東京都は、25歳未満の若者が身体や心の悩みを医療機関で無料相談できる「ユースクリニック」を、都内20か所で順次開始しました。

ポイントは、いきなり診察や検査を受ける場所ではなく、受診すべきか迷っている段階から医師や看護師などに相談できることです。一定の条件を満たす人には、緊急避妊や初回の妊娠判定にかかる費用も助成されます。

  • 対象は、都内在住・在学・在勤の25歳未満
  • 専門職への個別相談は無料で、匿名でも利用可能
  • 実施先は区部17か所、市町村部3か所
  • 診察・検査・治療に進む場合は、原則として別途費用が必要
目次

何が始まったのか

東京都が開設したユースクリニックは、若者が月経、妊娠、避妊、外見、人間関係、心の不調などを相談できる窓口です。2026年8月下旬から、医療機関ごとに順次始まっています。

実施する20医療機関の診療分野は、次のように分かれます。

  • 産婦人科:14か所
  • 小児科:2か所
  • 精神科:2か所
  • 総合病院:2か所

相談を担当するのは、医師や看護師などの専門職です。「生理痛が重い」「妊娠したかもしれない」「避妊方法が正しいか不安」「家族や友人との関係がつらい」といった、病名が付く前の悩みも対象になります。

相談と診察は別

利用前に押さえておきたいのは、無料になるのは専門職への相談だという点です。

ユースクリニックで相談しただけで、突然検査を受けることはありません。一方、相談後に治療や検査が必要となり、通常の診療へ進んだ場合は費用が発生することがあります。

「相談は無料だから、治療費もすべて無料」と受け取らないよう注意が必要です。

若者が医療につながる前の空白を埋める

東京都はこれまでも、若者向け相談窓口「とうきょう若者ヘルスサポート(わかさぽ)」を運営してきました。そこには、月経痛や予期しない妊娠への不安など、医療機関の受診が必要な相談も寄せられているといいます。

しかし、相談窓口で話を聞いてもらうことと、実際に病院へ行くことの間には距離があります。

  • 何科を受診すればよいか分からない
  • 病院へ行くほどの症状なのか判断できない
  • 保護者や学校に知られないか不安
  • 診察代や薬代を払えるか分からない
  • 性や妊娠について説明することに抵抗がある

ユースクリニックは、この段階で医療機関の専門職と接点をつくります。単なる情報提供にとどまらず、必要なら受診へ移れることが、従来の相談窓口との大きな違いです。

ここがポイント: 若者に「最初から患者として来院する」ことを求めず、相談から必要な医療までを同じ医療機関でつなぐ仕組みです。

匿名相談と秘密保持はどうなるのか

東京都の案内では、相談は匿名でも利用できます。本人の同意がない限り、相談内容を家族や学校の教員などへ伝えることもないとしています。

ただし、身体や生命に危険があると判断された場合などは例外です。虐待や性被害が疑われるケースを含め、本人の安全を確保するため、関係機関へ情報が共有されることがあります。

これは秘密保持を軽く扱うためではなく、深刻な被害を相談だけで終わらせないための対応です。利用者にとっては、「原則として秘密は守られるが、命や身体の危険がある場合は保護につながる」と理解しておくのが正確です。

緊急避妊と妊娠判定には費用助成も

今回の取り組みでは、相談に加えて、緊急避妊や初回の妊娠判定に関する受診費用を助成する仕組みも設けられました。助成後のフォローも実施されます。

ただし、無料相談より対象条件が狭くなっています。東京都のユースクリニック特設ページによると、費用助成の主な条件は次の通りです。

  • 都内に在住または在学している
  • 25歳未満である
  • 就労していない
  • 学生証などで氏名、年齢、在住・在学要件を確認できる
  • 助成は1人1回限り

都内で働いているだけの人は無料相談の対象になり得ますが、緊急避妊薬などの助成対象とは限りません。相談対象と費用助成対象を分けて確認する必要があります。

また、妊娠判定や緊急避妊は時間が重要です。助成の可否だけを調べ続けて対応が遅れないよう、希望する医療機関へ早めに連絡することが実務上の要点になります。

利用方法は医療機関ごとに確認が必要

利用の基本的な流れはシンプルです。

  1. 東京都の特設ページで実施医療機関を探す
  2. 各医療機関のページで日時や予約方法を確認する
  3. 予約した医療機関で専門職に相談する

一方、すべての施設が同じ条件で運営されるわけではありません。実施日時、予約方法、相談できる内容に加え、施設によっては対象年齢や性別も異なります。

「25歳未満なら、20か所のどこでも同じように利用できる」という制度ではないため、訪問前の確認が欠かせません。

20か所という配置に残る地域差

相談先が医療機関に設けられたことは前進ですが、配置を見ると課題もあります。20か所のうち17か所は区部で、市町村部は3か所です。

多摩地域などから利用する場合、相談先までの移動時間や交通費が負担になる可能性があります。学校や仕事の後に利用できる時間帯か、予約がどの程度取りやすいかも、制度の使いやすさを左右します。

今後は単に相談件数を増やすだけでなく、次の点を確認する必要があります。

  • 区部以外からも無理なくアクセスできるか
  • 予約枠や相談時間が若者の生活時間に合っているか
  • 相談後、必要な診察や継続支援へつながったか
  • 1回限りの費用助成後に支援が途切れないか
  • 性別や年齢による施設ごとの条件が分かりやすく案内されているか

若者に相談を促すには、「相談してよい」と伝えるだけでは足りません。近くにあること、費用が分かること、秘密が守られること、必要な治療へ移れること。その一つひとつが実際に機能するかが、次の注目点です。

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