千葉豪雨の被災住宅に最大75万7千円、応急修理制度で先に確認すべきこと|2026年8月28日版
千葉県は、8月の豪雨で被害を受けた住宅を対象に、災害救助法による応急修理制度を始めました。半壊以上は1世帯あたり最大75万7千円、準半壊は最大36万7千円までが対象です。
ただし、現金が被災者へ振り込まれる制度ではありません。修理前・修理中・修理後の写真を残し、市町の窓口を通して工事を進めることが重要です。
- 対象地域は災害救助法が適用された20市4町。千葉市は市が直接実施
- 対象は屋根、床、外壁、台所、トイレなど生活に欠かせない部分の必要最小限の修理
- 市町が修理業者へ依頼し、限度額内の費用を業者へ直接支払う
- すでに修理を急ぐ場合も、着工前から被害状況を写真で記録する
住宅の「建て直し」ではなく、住み続けるための応急修理
制度の目的は、被災した家を元どおりに全面改修することではありません。必要最小限の工事によって、避難所などへ移らず、元の住宅で暮らせる状態に戻すことです。
千葉県が公表した制度概要では、次の被害認定を受けた世帯が対象とされています。
- 大規模半壊
- 中規模半壊
- 半壊
- 準半壊
中規模半壊、半壊、準半壊では、自力で応急修理する資力がないことも要件です。原則として、修理後に自宅で生活でき、応急仮設住宅を利用しない世帯が対象になります。
全壊は通常、応急修理で住める状態に戻すことが難しいため対象外です。ただし、修理すれば居住できると判断される場合は対象になり得ます。
支援額と支払い方法
限度額は被害の程度によって異なります。
- 大規模半壊・中規模半壊・半壊:75万7千円以内
- 準半壊:36万7千円以内
限度額を超えた部分は自己負担です。また、被災者が代金を受け取って自由に使える給付金ではなく、市町が対象工事を確認したうえで修理業者へ直接支払います。
この違いは大切です。自己判断で業者と契約し、工事代金を全額支払ってから申請すると、制度上の手続きに乗せられない可能性があります。まず居住地の市町窓口へ相談してください。
ここがポイント: 修理を急ぐ場面でも、先に被害箇所を撮影し、市町へ連絡することが重要です。制度は「後から領収書を出せば一律に払い戻される仕組み」ではありません。
最初にすることは「片付け」より記録
浸水した住宅では、衛生や安全のため片付けを急がざるを得ません。それでも、撤去や修理によって被害の痕跡がなくなる前に写真を残しておく必要があります。
千葉県は、応急修理の必要性と工事内容を確認するため、修理前、修理中、修理後の写真提出を求めています。
写真に残したいもの
- 建物全体と周囲の状況
- 浸水した高さが分かる壁や柱
- 壊れた屋根、床、外壁、建具、配管、衛生設備
- 被害箇所を引いて撮った写真と、状態が分かる接写
- 工事中に取り外した部分や、内部の損傷
- 修理完了後の同じ箇所
写真は罹災証明書の被害認定でも重要です。千葉市は、罹災証明書を「現に居住している住家の被害程度を証明するもの」と説明しています。店舗、倉庫、自動車などは、住家向けの罹災証明書ではなく被災証明書の対象です。
対象地域は20市4町、千葉市は別窓口
千葉県の制度案内で対象とされているのは、次の20市4町です。
市川市、船橋市、館山市、松戸市、茂原市、佐倉市、東金市、習志野市、柏市、市原市、八千代市、我孫子市、鎌ケ谷市、四街道市、八街市、印西市、白井市、大網白里市、富里市、山武市、酒々井町、九十九里町、白子町、長柄町。
千葉市も災害救助の対象ですが、市が直接制度を実施します。申請書類、受付開始日、提出方法などは自治体によって異なるため、県の案内だけで手続きを完結させず、居住地の公式ページや窓口で確認する必要があります。
千葉市の案内では、8月29日と30日に中央区役所と緑区役所で罹災・被災証明書の臨時窓口を開設します。他の区では同日の臨時窓口を設けないため、場所を確認してから向かうのが安全です。
なぜ今、手続きの順番が重要なのか
今回の豪雨では被害が広範囲に及びました。ウェザーニューズは、県内22市町で浸水被害を確認し、住宅や生活への影響と災害対応費を合わせた経済的影響を速報値で約4億3千万円から12億9千万円と推計しています。ただし、全壊・半壊棟数などが未確定の段階での試算です。
同社に寄せられた報告の分析では、浸水想定区域の外でも被害が起きた可能性が示されています。ハザードマップ上の色だけで被害の有無を判断せず、床下や壁の内部、電気設備なども確認する必要があります。
被害認定、業者の見積もり、市町による工事内容の確認には時間がかかります。一方で、濡れた床や壁を放置すれば生活再開が遅れます。だからこそ、次の順番を意識したいところです。
- 身の安全を確保する
- 片付けや撤去の前に被害を撮影する
- 市町へ罹災証明書と応急修理制度について相談する
- 対象工事を確認してから見積もりを取る
- 市町の案内に従って工事を進め、工事中と完了後も撮影する
次に確認すべき3つの点
制度が公表されても、窓口の準備や必要書類は自治体ごとに更新されます。被災した世帯は、次の点を早めに確認してください。
- 居住地の市町で申込受付が始まっているか
- 予定している工事が応急修理の対象になるか
- 罹災証明書、見積書、写真など何を提出するか
特に注意したいのは、修理業者との契約や支払いを先に進めすぎないことです。写真を残し、市町へ相談し、対象工事を確認する。 この順番が、生活再建に使える支援を取りこぼさないための最初の一歩になります。
