過去の生活保護受給者に追加給付、京都市などで申出受付が始まる|2026年8月15日版
過去に生活保護を受け、現在は受給していない世帯を対象とする追加給付の申出受付が、京都市をはじめ全国の自治体で始まりました。対象者は原則として、当時生活保護を受けていた自治体へ自ら申し出る必要があります。
転居を繰り返した人は、複数の自治体で手続きが必要になる可能性があります。心当たりがある場合は、受給時期と自治体を早めに確認することが重要です。
- 対象期間は原則、2013年8月から2026年3月まで
- 現在受給していない世帯の全国共通の申出期間は、2026年8月1日から2027年7月31日まで
- 申出先は、現在の住所ではなく「当時受給していた自治体」
- 現在も受給中の世帯は、自治体が職権で支給する場合がある
京都市では廃止世帯の受付を開始
京都市の案内によると、対象は過去に京都市で生活保護を受け、現在は保護が廃止されている世帯です。ここでいう「廃止」は、保護の必要がなくなったことなどにより受給を終えた状態を指します。
京都市の受付期間は2026年8月1日から2027年7月31日まで。窓口への持参、郵送、マイナポータルによる電子申請に対応しています。
申出時には、主に次の書類が必要です。
- 保護費の追加給付に係る申出書
- 調査に関する同意書
- マイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類
- 世帯の状況に応じて求められる追加資料
2026年3月時点で京都市の生活保護を受給していた世帯は、原則として申出不要です。ただし、以前に別世帯で受給していた期間がある場合や、京都市から転出後に再び転入した場合などは、過去の受給分について申出が必要になるケースがあります。
なぜ追加給付が行われるのか
発端は、国が2013年から3年間かけて実施した生活扶助基準の引き下げです。生活扶助は、食費や光熱水費など日常生活に必要な費用の基準となります。
最高裁は2025年6月27日、物価下落を反映させた「デフレ調整」について、厚生労働大臣の判断過程と手続きに過誤や欠落があったとして、基準改定を違法と判断しました。
これを受け、国は基準を再計算。原告かどうかを問わず、従来のマイナス4.78%ではなく、マイナス2.49%の水準で差額を追加給付する方針を決めました。訴訟の原告には、別途の特別給付金によって引き下げ前の水準との差を補う仕組みです。
ここがポイント: 今回の手続きは新たな生活保護の申請ではなく、過去の基準改定を再計算した結果生じる差額を受け取るための申出です。
転居経験がある人ほど確認が必要
今回の制度で特に注意したいのは、申出先が現在住んでいる自治体とは限らないことです。
自治体をまたいで受給していた場合
厚生労働省は、現在生活保護を受給していない世帯について、当時保護を実施した自治体へ申し出るよう案内しています。
例えば、対象期間中に京都市と別の市で受給していたなら、京都市分は京都市へ、別の市の分はその市へ確認するのが基本です。受給期間が長く、転居回数が多い人ほど手続き先が増える可能性があります。
古い記録が残っていない場合
受給開始から10年以上が経過しているケースもあります。本人が資料を保管しておらず、自治体側にも当時の詳細なデータが残っていないことが想定されます。
厚生労働省と自治体の実務者協議では、その場合も本人の申出、ケース番号の記録、戸籍謄本などの客観的資料を使い、できる限り当時の世帯構成や加算を確認して算定する方針が示されています。
書類が見当たらないという理由だけで、最初から諦める必要はありません。まず当時の自治体か国の相談センターへ問い合わせるのが現実的です。
支給額と時期は世帯ごとに異なる
追加給付額は一律ではありません。受給していた月数のほか、当時の年齢、世帯人数、居住地域、各種加算などをもとに計算されます。
京都市は、金額と支給日を審査後の決定通知書で知らせるとしています。申出をしても、窓口で直ちに金額が確定するわけではありません。
制度をめぐっては、違法とされた引き下げ分の全額ではなく、再計算した一部を追加給付する国の方針に批判的な受け止めも報じられてきました。一方、利用者にとって当面の焦点は、給付水準の議論とは別に、申出期限までに手続きを完了できるかどうかです。
対象かもしれない人が今確認すること
まず、2013年8月から2026年3月までの間に生活保護を受けた期間がなかったかを確認してください。本人だけでなく、当時の世帯主だった家族が亡くなっている場合なども、相続人が手続きできる可能性があります。
確認する順番は次の通りです。
- 受給していた時期と自治体を書き出す
- 各自治体の公式サイトで申出方法を確認する
- 本人確認書類や当時の世帯関係が分かる資料を集める
- 不明点は国の相談センターか当時の自治体へ問い合わせる
厚生労働省の相談センターは、フリーダイヤル「0120-179-445」で受け付けています。受付時間は平日午前9時から午後5時で、2026年8月から10月までは土日・祝日にも対応します。
申出期限は2027年7月31日です。まだ時間があるように見えますが、過去の住所や受給期間をたどる作業には手間がかかります。次に確認すべきなのは、現在の居住地ではなく、当時どの自治体から保護を受けていたかです。
