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大府市の水道料金改定、6月から家計はどれだけ変わるのか|2026年6月5日版

大府市の水道料金改定、6月から家計はどれだけ変わるのか|2026年6月5日版

愛知県大府市では、2026年6月1日以降の使用分から水道料金が改定されました。平均改定率は6%で、一般家庭の目安では1人世帯が月20円、3人世帯が月140円、5人世帯が月320円の増額です。

ただし、6月から11月検針分までは主に家庭用の水道基本料金を半額にする措置も同時に走ります。つまり今回のポイントは、単純な「値上げ」ではなく、老朽化・県営水道の値上げ・物価高に備える料金改定を、半年間の負担緩和でならしていることです。

  • 改定開始:2026年6月1日以降の使用分
  • 平均改定率:6%
  • 家庭の月額増加目安:1人20円、3人140円、5人320円
  • 6月から11月検針分:主に家庭用の水道基本料金を半額
  • 背景:水の使用量減少、愛知県営水道料金の値上げ、維持管理費増、配水場の大規模改修
目次

何が変わったのか

大府市の水道料金改定は、2014年4月以来12年ぶりです。

市の説明では、水道事業は2024年度決算で経常収支比率が100%を超えており、ただちに経営が破綻しているわけではありません。それでも今後は、水の使用量の減少で料金収入が伸びにくくなる一方、愛知県から100%購入している水の受水費、物価高による維持管理費、配水場の改修費が重くなるとしています。

家庭の負担は月いくら増えるのか

大府市が示した世帯人員別の目安は次の通りです。金額はいずれも税込みです。

世帯想定使用水量改定前改定後月の増加分
1人10m³1,590円1,610円20円
2人15m³2,220円2,310円90円
3人20m³2,860円3,000円140円
4人25m³3,820円4,050円230円
5人30m³4,780円5,100円320円

数字だけ見ると、食品や電気代の値上げに比べて月額の増加幅は小さく見えます。けれど水道は、契約者が別の事業者へ乗り換えて避けられる料金ではありません。家計にも店にも、必ず毎月かかる固定費です。

市は、一般家庭に多い口径13ミリメートル・20ミリメートルの基本料金の改定率を抑え、1カ月10m³までの水量料金は据え置きました。少量利用の世帯ほど上がり方を小さくする設計です。

半額措置で「値上げの見え方」が変わる

今回の改定をやや分かりにくくしているのが、同時に続く基本料金半額措置です。

大府市は、物価高騰下の生活支援として、2026年6月から11月検針分まで、主に家庭用として水道を利用する契約者の水道基本料金を半額にします。対象は、口径13ミリメートルから25ミリメートルまでの契約者と、口径40ミリメートル以上の共用物件などです。市民や企業側の手続きは不要で、請求時に反映されます。

具体的には、口径13ミリメートル・20ミリメートルの場合、8月から11月検針分の2カ月分基本料金は1,360円から680円になります。

ここがポイント: 料金体系は6月から上がる一方、請求上は基本料金半額が重なるため、家庭によっては当面の負担感が抑えられます。ただし半額措置は臨時的な生活支援で、恒久的な値下げではありません。

集合住宅は「契約者」と「住む人」が違う場合がある

共用物件では、建物一括で水道を契約しているケースがあります。市は、共用物件の契約者に対して、所有物件に居住する人の家賃等への配慮を求めています。

ここは生活者にとって見落としやすい点です。水道局から直接請求が来ない賃貸住宅では、半額措置の反映が家賃や共益費の中で見えにくい場合があります。住民側は、管理会社や貸主からの案内を確認する必要があります。

なぜ今、料金改定が必要になったのか

水道料金の議論は、家計の話だけでは終わりません。蛇口から水が出続けるための設備更新費を、誰がどの時点で負担するかという話でもあります。

大府市の「水道持続ビジョン2035」では、2026年度から2035年度までの10年間で約42億円の設備投資を見込んでいます。共和配水場などの機械設備・電気設備が順次更新基準年限を迎えるためです。

管路についても、2024年度末時点の見込みで、法定耐用年数40年を超える口径50ミリメートル以上の管路が約91km、管路全体の約18%あります。市は、避難所など重要施設へ至る管路の耐震化や、老朽管の耐震管への更新を進める方針です。

受水費の増加も効いている

大府市は水道水を100%愛知県営水道から受けています。市のビジョンでは、2026年4月からの県営水道料金改定により、受水費が2026年度に2025年度より約4,700万円増える見込みとされています。

これは、各家庭の節水努力だけでは吸収しにくいコストです。水を使う量が少し減っても、配水場や管路を維持する費用は大きく下がりません。むしろ使用量が減るほど料金収入は落ち、固定的な設備費の負担が目立ちやすくなります。

地元でどう受け止められているか

大府市議の発信では、12月議会で水道料金を引き上げる条例改正が賛成多数で可決されたこと、料金改定を先送りすれば将来的に施設の維持管理や管路の耐震化・更新が計画的に進めにくくなるとの質疑内容が紹介されています。

一方で、同じ愛知県内では犬山市でも水道料金の値上げ検討が報じられ、地元飲食店からは「人件費も食材費も上がって、さらに水道も」という趣旨の不安が出ています。大府市だけの特殊事情ではなく、県営水道の値上げ、維持管理費の高騰、水道管の老朽化対策が、県内の複数自治体で同時に料金改定の理由になっています。

読者の立場で見ると、受け止めは大きく二つに分かれます。

  • 水道を安定して維持するため、一定の料金改定は避けにくい
  • 物価高のなかで、固定費が少しずつ積み上がること自体が重い

どちらも現実です。だからこそ、自治体側には「いくら上がるか」だけでなく、「どの管路をいつ更新するのか」「半額措置が終わった後に請求はどう見えるのか」まで伝える説明が求められます。

次に見るべきポイント

今回の大府市の動きは、ローカルな水道料金改定でありながら、全国の自治体が抱える課題を映しています。人口や使用水量が伸びにくいなかで、古い設備の更新費だけは待ってくれません。

今後確認したいのは、次の点です。

  • 2026年11月検針分で基本料金半額措置が終わった後、請求額がどの程度変わるか
  • 10年間で約42億円とされる設備投資が、計画通り進むか
  • 管路の耐震化や老朽管更新の進捗が、市民に分かる形で公表されるか
  • 集合住宅など、直接水道局と契約していない住民にも負担緩和が届くか

水道料金の改定は、値上げ幅だけを見ても全体像はつかみにくい話です。次の検針票で見るべきなのは、合計額だけではありません。基本料金の半額、使用水量、下水道使用料がどう重なっているかを確認すると、今回の改定が自分の家計にどう効いているかが見えてきます。

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