新潟市の生活保護追加給付、6月24日支給へ|2026年6月3日版
新潟市は、生活保護の生活扶助基準引き下げをめぐる最高裁判決を受け、対象となる現在の受給世帯へ追加給付を行います。市が示した支給予定日は2026年6月24日です。
ポイントは、いま新潟市で生活保護を受けている世帯は原則として手続き不要で振り込まれる一方、過去に受給していた世帯や、別の自治体で受給していた期間がある人は申出が必要になることです。
- 新潟市のページは2026年6月1日に最終更新
- 現在の受給世帯は、対象なら通常とは別の通知書で案内
- 過去の受給世帯は、生活保護廃止時点の世帯主から申出が必要
- 金額は世帯人数、年齢、受給期間、加算の有無などで変わる
何が支給されるのか
今回の追加給付は、2013年に国が行った生活扶助基準改定をめぐる最高裁判決が出発点です。
厚生労働省は、2025年6月27日の最高裁判決で「デフレ調整」に関する判断過程と手続きに過誤、欠落があったとされたことを受け、従来の水準と新たな水準との差額について追加給付を行うと説明しています。
新潟市もこの方針に沿い、市内で当時生活保護を受けていた人などを対象に追加給付を進めます。
ここがポイント: 今回は新しい生活支援策ではなく、過去の生活扶助基準改定を最高裁判決後に再計算し、対象者へ差額を支給する手続きです。
現在受給中の世帯
新潟市によると、2026年6月1日時点で生活保護を受けている世帯のうち、2013年8月から2026年3月までの間に新潟市で生活保護を受けていた世帯が対象になります。
ただし、基準生活費や加算などの要件があるため、全世帯が必ず対象になるわけではありません。
対象となる場合は、現在生活保護費が支給されている口座へ手続き不要で振り込まれます。支給予定日は2026年6月24日です。
市は、対象世帯には支給前に通常の通知書とは別の「保護追加給付決定通知書」で知らせるとしています。
過去に受給していた世帯
すでに生活保護を廃止している世帯は、生活保護廃止時点の世帯主からの申出が必要です。
新潟市は、詳細について国の方針に基づき調整中としており、決まり次第、市ホームページや「市報にいがた」などで案内するとしています。
ここで注意が必要なのは、受給していた自治体が複数ある場合です。たとえば、2013年8月時点ではA市、その後B市、現在は新潟市で生活保護を受けている人は、それぞれの自治体から追加給付される可能性があります。ただし、新潟市以外の期間分は、当時の自治体へ申出を行う必要があります。
金額は一律ではない
支給額は、単純に「1世帯いくら」と決まるものではありません。
新潟市は、生活扶助基準の「新たな水準」と「従来の水準」との差額を支給するとし、金額は当時の年齢、世帯人数、生活保護を受けていた時期や期間などで個別に計算されると説明しています。
厚生労働省の相談センターは、追加給付額の例として、2013年8月から2026年3月まで継続して受給していた場合の目安を示しています。
- 都市部の60歳代単身世帯例: 合計10.5万円
- 都市部の30歳代夫婦と4歳の子ども1人の世帯例: 合計20.4万円
- 地方部の60歳代単身世帯例: 合計8.5万円
- 地方部の30歳代夫婦と4歳の子ども1人の世帯例: 合計16.1万円
これはあくまで例示です。実際には、居住地域の級地、受給していた月数、加算の有無などで変わります。
また、今回の追加給付は生活保護上の収入認定の対象にはならないと案内されています。ただし、保有が認められない物品の購入などは認められないため、通常の生活保護制度上のルールは残ります。
受け止めの焦点は「申出漏れ」
この話題は全国ニュースの見出しでは大きく扱われにくいものの、当事者にとっては家計と手続きに直結します。
特にネット上や支援団体側の発信では、追加給付そのものよりも、次の点に関心が集まりやすくなっています。
- すでに生活保護を離れた人に情報が届くか
- 転居や自治体変更があった人が申出先を把握できるか
- 追加給付額が妥当かどうかを当事者が確認できるか
- 高齢者や病気の人が手続きを進められるか
愛媛県松山市では、原告側の支援団体が追加給付などを説明する相談会を開いたと報じられています。そこでは、追加給付額が正当かどうかを国に確認する審査請求の手続きも紹介されました。
一方で、厚生労働省は相談センターを設け、追加給付の内容や対象世帯、申出書の書き方、申出先などの問い合わせに対応しています。
新潟市で次に見るべきこと
新潟市の現在受給世帯については、6月24日の支給予定日と通知書が直近の確認点になります。
より難しいのは、過去に生活保護を受けていた世帯です。生活保護を離れた後に転居した人、世帯主が変わった人、複数自治体で受給歴がある人は、案内を待つだけではなく、自分の受給歴と自治体を整理しておく必要があります。
今後の注目点は次の3つです。
- 新潟市が過去受給世帯向けの申出方法をいつ公表するか
- 「市報にいがた」など紙媒体でどこまで周知されるか
- 複数自治体にまたがる受給歴の問い合わせがどれだけ円滑に処理されるか
6月24日の振込だけで終わる話ではありません。今回の追加給付は、制度の修正が生活の現場に届くまでに、通知、申出、自治体間の確認という地味な手続きがどこまで機能するかを問う案件です。
