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イリノイ州の賃貸「ジャンク手数料」禁止、何が変わる?契約書1ページ目が焦点に

イリノイ州の賃貸「ジャンク手数料」禁止、何が変わる?契約書1ページ目が焦点に

米イリノイ州で、賃貸契約に紛れ込みやすい追加手数料を規制する法案が知事の判断に進みました。核心はシンプルです。家賃以外に必ず払う費用は、契約書の最初のページに明示しなければならないというルールです。

対象になるのは、更新手数料、時間外の修理依頼料、通常の維持管理にかかる費用など、借り手が契約後に気づきやすい料金です。成立すれば、物件探しや契約の場面で「月いくらで住めるのか」を比べやすくなります。

  • イリノイ州下院は2026年4月8日、HB3564を64対40で可決
  • 上院はすでに39対16で可決しており、法案はJB・プリツカー知事の判断へ
  • 非任意の手数料は賃貸契約書の1ページ目に明示する必要がある
  • 明示されていない手数料について、借り手は支払い義務を負わない設計になっている
目次

何が「ジャンク手数料」と見なされるのか

この法案が狙うのは、家賃そのものではなく、契約の周辺に積み上がる細かな料金です。

現地メディアWANDによると、スポンサー側は、借り手が契約時に想定していなかった費用を後から請求される状況を問題視しています。たとえば、次のような費用です。

  • 賃貸申込やバックグラウンドチェックに関する過大な費用
  • リース更新や契約変更に伴う手数料
  • 時間外の修理依頼に対する料金
  • 借り手の責任ではない害虫駆除費
  • 通常のメンテナンスや管理に近い費用

イリノイ州議会の法案情報では、申込料やバックグラウンドチェック費用について50ドルを超える請求を制限する内容が示されています。ただし、第三者による調査費が実際に50ドルを超え、家主側が先に支払い、領収書付きで一定期間内に請求する場合など、例外も設けられています。

ここで重要なのは、料金をすべて消す話ではないことです。借り手が契約前に見える場所へ出すこと、そして一定の料金については上限や禁止線を引くことが柱です。

なぜ契約書の「1ページ目」なのか

賃貸契約では、月額家賃だけを見て物件を比較しがちです。ところが実際には、入居時、更新時、修理時、支払い方法の選択時に別料金が発生することがあります。

HB3564は、非任意の手数料を契約書の最初のページに明示するよう求めています。さらに、そこに書かれていない料金については、借り手が支払う責任を負わないとしています。

ここがポイント: 法案の焦点は「安い家賃に見せて、後から手数料で回収する」形を抑えることにあります。借り手は最初のページを見れば、少なくとも必須費用の全体像を確認できるようになります。

このルールが効く場面は、契約直前だけではありません。

物件比較の時点で効く

家賃1,500ドルの物件と1,550ドルの物件があったとしても、前者に毎月の必須手数料が複数付くなら、実質的な負担は逆転します。

法案は物件掲載や契約書での費用開示を求める方向なので、借り手は「表示家賃」ではなく「住むために必要な総額」に近い形で比較しやすくなります。

トラブル時の判断材料になる

契約後に見慣れない手数料を請求された場合、借り手はそれが契約書の最初のページに明示されていたかを確認できます。書かれていなければ支払い義務がない、という線引きは、交渉や相談の入口になります。

反対側の懸念は「家賃に上乗せされる」こと

法案には反対論もあります。WANDは、共和党議員が趣旨には理解を示しつつ、小規模家主が費用を基本家賃に組み込む可能性を指摘したと報じています。

つまり、争点は「手数料を消せば借り手が必ず得をする」という単純な話ではありません。

  • 借り手側: 契約前に総額を把握しやすくなる
  • 家主側: 個別費用を回収しにくくなれば、家賃に反映する可能性がある
  • 行政側: 料金名を変えて抜け道にする行為をどう防ぐかが課題になる

法案には、料金の名前を変えて規制を避けることを防ぐ趣旨の文言も入っています。実務では、どの費用が「任意」なのか、どの費用が「必須」なのかの判定が重要になります。

日本の読者が見るべき点

このニュースは米国の州法案ですが、日本の賃貸契約にも引きつけて考えやすい論点があります。礼金、更新料、鍵交換費、保証会社費用、清掃費など、契約前に総額を把握しにくい費用は日本でも珍しくありません。

ただし、制度は国や州で違います。イリノイ州の法案をそのまま日本に当てはめるのではなく、次の3点を見ると実用的です。

  • 物件広告の家賃と、入居に必要な総額がどれだけ離れているか
  • 契約書の最初の数ページで、必須費用が一覧できるか
  • 「任意」とされる費用が、実際には断れない形になっていないか

イリノイ州の動きは、家賃そのものを直接下げる政策ではありません。けれど、借り手が契約前に費用を比較できるようにする点では、消費者保護として分かりやすい一歩です。

今後の注目点

法案はプリツカー知事の判断に進んでいます。成立すれば、施行時期や細かな運用をめぐって、家主、管理会社、借り手、自治体の間で具体的な対応が必要になります。

特に見るべき点は3つです。

  • 知事が署名するか、それとも修正や再調整が入るか
  • 小規模家主が基本家賃へ費用を移す動きが出るか
  • 物件掲載サイトや管理会社の契約書が、どの程度分かりやすく変わるか

家賃の安さだけで契約を決めると、後から手数料で負担が膨らむことがあります。イリノイ州の法案が成立するかどうかにかかわらず、賃貸契約では「最初の月に払う額」と「毎月必ず払う額」を分けて確認することが、いちばん現実的な防衛策になります。

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