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静岡市の上下水道料金が6月使用分から値上げ、家計負担の先にある「避難所で水を使える」計画|2026年6月7日版

静岡市の上下水道料金が6月使用分から値上げ、家計負担の先にある「避難所で水を使える」計画|2026年6月7日版

静岡市では、2026年6月使用分から水道料金と下水道使用料が上がります。2〜3人世帯の一般家庭では2か月あたり約880円、年間では5,000円超の負担増が目安です。

今回の値上げは、単なる物価高対応ではありません。市は南海トラフ地震などの大規模災害を見据え、病院や避難所まで水道と下水道を「線」としてつなぐ耐震化を進めるため、2040年までの集中投資に踏み出します。

  • 2026年6月使用分から新料金に移行
  • 実際の支払い反映は、検針地区により8月または9月支払い分から
  • 一般家庭の目安は2か月で約880円増
  • 飲食店など水を多く使う事業者は、改定率がより大きくなる見込み
目次

何が変わるのか

まず生活者が見るべきなのは、「いつから」「いくら上がるのか」です。

静岡市の広報資料によると、上下水道料金は2か月ごとの支払いです。6月使用分から改定後の料金になりますが、請求に反映される時期は地区によってずれます。

  • 奇数月に検針する地区: 8月支払い分から反映
  • 偶数月に検針する地区: 9月支払い分から反映
  • 20立方メートル使用の場合: 2か月合計で5,664円から6,126円へ、462円増
  • 40立方メートル使用の場合: 2か月合計で10,768円から11,648円へ、880円増

テレビ静岡などの地元報道では、2〜3人世帯の一般家庭で2か月あたり約880円、年間5,000円以上の値上がりと説明されています。飲食店などの事業者では、改定率が25%にのぼる見込みです。

家計では「水道だけなら数百円」と見えがちですが、電気、食品、日用品の値上げと重なると、固定費の増加として効いてきます。特に乳幼児のいる家庭、介護で洗濯や入浴の回数が多い家庭、小規模飲食店のように水を削りにくい業種では、節水だけで吸収するのは簡単ではありません。

値上げの理由は「老朽化」だけではない

静岡市が前面に出している理由は、上下水道を災害時にも使える状態に近づけるための耐震化です。

市の説明では、これまでも水道管や下水道施設の耐震化は進めてきました。ただし、取水施設、浄水施設、配水池、避難所、ポンプ場、下水処理場までを一本の給排水経路として見たとき、どこか一部が壊れると、その先の地域全体で給水や排水が止まるおそれがあります。

そこで市は、すべてを一気に更新するのではなく、重要な経路を選んで耐震化する「選択的線的耐震化」を掲げました。

優先される施設

市が示している優先順位は、災害時に水が止まると命や避難生活に直結する場所です。

  • 災害拠点病院、救護病院、透析病院
  • 災害対策本部となる県・市庁舎、警察、消防など
  • 中学校区に1か所の避難所
  • 小学校区に最低1か所の避難所
  • その他の避難所など

2035年までに災害拠点病院や災害対策本部、中学校区に1か所の避難所で給排水を確保し、2040年までに小学校区に最低1か所の避難所で給排水できる状態を目指します。

ここがポイント: 今回の値上げは「水道管を直すため」というより、災害後に病院、避難所、生活拠点で水を使い、トイレを流せる状態をどこまで確保するかという話です。

1,031億円の不足をどう埋めるのか

静岡市は、2025年から15年間の投資・財政計画を試算しています。総費用は1兆957億円、財源は9,926億円で、不足額は1,031億円です。

内訳を見ると、負担の重さが分かります。

  • 水道の不足額: 597億円
  • 下水道の不足額: 434億円
  • 水道の耐震化対策費: 993億円
  • 下水道の耐震化対策費: 516億円
  • 下水道の老朽化対策費: 1,440億円

市は国庫補助金や企業債も使うとしています。それでも不足する分を、料金改定で補う設計です。

ここで読者が見るべきなのは、「今回だけで終わるのか」という点です。静岡市は2040年までの集中投資期間中、3年ごとに料金を見直す方針を示しています。つまり、2026年6月の改定は一度きりの値上げではなく、長期計画の最初の大きな節目です。

住民と事業者の受け止め

地元報道では、市民から物価高と重なる負担感を訴える声が紹介されています。水道料金だけでなく、食費や光熱費も上がる中で、補助を求める意見や、育児で水を減らしにくいという声も出ています。

一方で、災害への備えそのものを否定する声は目立ちません。能登半島地震では断水が長期化し、避難生活や医療機関の運営に大きな影響が出ました。静岡市は南海トラフ地震のリスクを抱える地域でもあります。

受け止めは、大きく分けると次の2つです。

  • 災害時に水を確保する必要性は理解できる
  • ただし、家計や小規模事業者への負担増は重い

この両方が同時に成り立ちます。だからこそ、市には「値上げを決めた」で終わらず、どの地区で、どの施設まで、いつ給排水経路が強くなるのかを継続して示す責任があります。

家庭で確認しておきたいこと

今回の改定で、すぐに大きな行動を変える必要はありません。ただ、請求額が上がったときに慌てないため、いくつか確認しておくとよさそうです。

  • 自宅の検針月が奇数月か偶数月か
  • 直近の2か月使用量が20立方メートル台か、40立方メートル台か
  • 風呂、洗濯、炊事、介護、育児など水を減らしにくい用途は何か
  • 店舗や事業所では、水道料金の増加分を原価計算に入れているか

節水は大切ですが、衛生や健康を削る形では続きません。家庭では漏水の確認、節水型シャワーヘッド、洗濯回数の見直しなど、生活を壊さない範囲から始めるのが現実的です。

今後の注目点

静岡市の上下水道料金改定は、地域インフラの維持費を誰がどう負担するのかを見せる身近な事例です。水道は毎日使うため、値上げは家計に直接響きます。一方で、災害時に水が止まれば、病院、避難所、学校、福祉施設、飲食店、家庭のすべてが影響を受けます。

今後は次の点を見ておきたいところです。

  • 2035年までの中学校区避難所への給排水確保が予定通り進むか
  • 3年ごとの料金見直しで、追加負担がどの程度になるか
  • 飲食店、福祉施設、学校など水を多く使う現場への説明が十分か
  • 工事の進捗と料金改定の関係が、市民に分かる形で公開されるか

料金表の数字だけを見ると、今回の話は「また値上げか」で終わりがちです。しかし本当の焦点は、支払った分がどの地域のどの給排水経路を強くするのかです。次に見るべきなのは、請求書の金額だけでなく、市が示す工事の進み具合です。

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